富士登山と1型糖尿病

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 先日、人生初の富士登山へ行ってきました。

 肉体的・体力的な厳しさはあったものの、日本一の標高から見る景色はもちろん、雲の中や上を歩き、動物もいない無音の空間を味わうなど、色々と初めての経験ができたのが非常に良かったです。

 しかし、(1型糖尿病患者に常に付きまとう)血糖値管理にだけは非常に苦戦しました
 そのため今回は、実際の富士登山の血糖値推移を記録として残すことで、1型糖尿病の方が富士登山をする際の多少の参考や、「富士山に登ってみたいけど、1型糖尿病持ちだから不安」という方の判断材料にしていただければと思います。

前提の個人データなど

・30代男
・174cm、64kg 若干痩せ型
・中軽度の筋トレ、ジョギングの運動習慣あり
・登山経験なし
・持続型インスリンはトレシーバを使用
 前日0時頃に15単位注射済み

実際の血糖値推移と食事の記録など

●06:40 起床 
血糖値:139mg/dL
・食事:
 低糖質豆乳(マックスバリュ 低糖質調整豆乳)200ml ― 炭水化物3g
  +バランサー バナナ風味8.5g ― 糖質0.45g
・注射:なし

 

●09:45 登山開始 <富士宮五合目>
血糖値:186mg/dL
・補記:登りは富士宮ルートを利用しました

●10:00 <六合目>
血糖値:159mg/dL

●10:50 <新七合目>
血糖値:58mg/dL
・補食:
 1本満足バー プロテイン・ラン ベイクドチーズ ― 糖質17g
 カントリーマアム×2 ― 炭水化物6.3g×2 = 12.6g
・注射:なし
・補記:
 登山らしい登山自体が初めてなこともあり、六合目から新七合目の間が一番、脚の筋肉への負担が大きかったです。
 また、これは人による(普段の運動内容による)のでしょうが、モモの筋肉で登るような、岩や大きな石の上を上っていく動きは最後まで問題なくできていたものの、段差が小さく勾配が急な斜面を登るような動きが辛かったため、この区間は登山を始めてから間もない時間でありながら、かなり辛い区間でした。

 

●11:50 <元祖七合目>
血糖値:121mg/dL
・補食:アクエリアス 100ml ― 炭水化物4.7g
・注射:なし
・補記:
 スポーツドリンクを飲んだのはこの時点での100mlだけで、あとはお茶と麦茶を飲んでいました。主に血糖値の管理のためですが、全体的に血糖値が下がりがちだったので、スポーツドリンクでの水分補給が望ましいのかもしれません

●12:50 <八合目>
血糖値:87mg/dL
・食事(昼食):
 コッペパン つぶあん&マーガリン(ヤマザキ) ― 炭水化物69.1g
・注射:アピドラ 3単位

●13:40 <九合目>
血糖値:104mg/dL
・補食:カントリーマアム×2 ― 炭水化物6.3g×2 = 12.6g
・注射:なし

●14:20 <九号五勺>
血糖値:141mg/dL

●15:10 <富士宮口山頂 >
血糖値:97mg/dL
・補食:カロリーメイト ブロック チーズ味×2 ― 糖質10g×2 = 20g
・注射なし
・補記:この後、剣ヶ峰を登っています。
    あまりの急勾配に、登り始めたことをすぐに後悔しました。

 

●15:50 下山開始
血糖値:98mg/dL
・補記:下りはプリンスルートを利用しました

●16:50 <七号五勺>
血糖値:83mg/dL
・補食:カントリーマアム×2 ― 炭水化物6.3×2 = 12.6g
・注射なし

●18:30 <大石茶屋付近>
血糖値:55mg/dL
・補食:
 ヤマザキ とろ〜りとしたチーズのハンバーガー ― 炭水化物32.7g
・補記:
 プリンスルートの大砂走は、登山靴を使用し、且つ砂が靴の中に入って来ないように装備を用意していれば下ること自体は楽なのですが、道が長く、途中に山小屋などの休憩スポットがないため、血糖値の確認が遅れ、補食と休憩のタイミングが遅れいしまいました

●19:10 下山 <御殿場口新五合目>
血糖値:144mg/dL

●20:30 帰宅
血糖値:89mg/dL

総括

 血糖値管理の面から見れば、“強度の高めの運動”を想定した補食やインスリン管理をしておけば十分で、何か特別な心配する必要はない、といった印象でしたので、「富士登山をしたいと思っているけども、1型糖尿病の持病のせいで尻込みしている」という方はぜひ登ってみてください。

 ただ、山小屋等の休憩スポット(物理的な区切り)が少ないルートを選択する場合は、時間区切りで血糖値の管理をすることが重要かと思います。
 時間の目安は「富士登山オフィシャルサイト」に記載がありますので、そちらで登山前に所要時間の目安を確認をし、血糖値の確認や休憩のタイミングをある程度決めてておくことをお勧めします。(そうしないと、今回の大砂走での下山中の低血糖のように、血糖値が大きく下がって初めて低血糖に気付くような状況になりかねません)

 なお、気圧や気温の問題でインスリン注射が打てないということもなかったので、その辺りの心配も不要です。

 以上、ご参考になれば幸いです。

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