2021年1月から株主優待株への先回り投資を始めたので、その結果をこちらに記録していきます。
ご興味ある方はぜひ参考にしてください。
株主優待への先回り投資とは?
株主優待のある株に対し、権利確定日に向けて株価が上がるのを狙って投資する手法。
私は 柳橋義昭『安定的に利益を出せる 先回りイベント株投資』を参考に、(原則)権利確定月の前月一日に株を買い、前月末日に売る方法を採っています。
なお、銘柄は独自に集計したデータに基づき選定し、銘柄によっては権利確定月の前々月に購入しています。
例)東建コーポレーション(1766)
権利確定月:4月 → 3月月初購入、3月月末売却
利用口座
メイン証券口座は楽天証券ですが、優待株先回り投資ではSBIネオモバイル証券を利用してます。
理由としては、
・単元未満株(100株未満で購入できる)の取扱いが多いため、少額での(分散)投資が可能。
・月額220円で取引手数料無料(約定代金合計額が50万円まで)。同額のTポイントがつくため、実質的な手数料は無料。
→ 複数銘柄で1カ月内での売買をしても、手数料負けや、手数料のダメージを避けられる。
確認できる各種情報が少ないためメイン口座には向いていないと思いますが、サブ口座には非常に良い証券会社です。
口座開設の際は(よろしければ)コチラからどうぞ。
2021年1月(利確済)
・購入株(権利確定月:3月)
:柿安本店(2294)、DDホールディングス(3073)、薬王堂ホールディングス(7679)、パレモ・ホールディングス(2778)、ジェイグループHD(3073)
・購入額:48,563円
・売却額:51,158円
・損益額:+2,595円
・損益率:+5.3%
試験的に少額且つ「(同月内)最終営業日まで完全放置」で始めてみましたが、単月リターン5.3%で利確済なら、まずまずの結果ではないでしょうか。
ただ、薬王堂などは大きくプラスになっていたタイミングもあったため、今後は「+15%で利確する」などのルールを追加した方がいいかもしれません。
2021年2月(利確済)
・購入株(権利確定月:3月)
:日本KFCホールディング(9873)、日清食品HD(2897)、大戸屋ホールディングス(2705)
・購入株(権利確定月:4月):伊藤園第1種優先(25935)、東和フードサービス(3329)
・購入額:49,871円
・売却額:51,700円
・損益額:+1,829円
・損益率:+3.7%
1月に比べるとプラス幅は小さくなったものの、2ヶ月連続でプラス。
日清食品HD(2897) 1社にのみ資金を入れていたら大きなマイナスになっていたので、月並みですが、やはり分散が肝要ということなのでしょう。
また、権利確定が“2カ月先”の伊藤園第1種優先(25935)、東和フードサービス(3329)も無事プラスとなりました。
「権利付き最終日の約3ヶ月前から正の日次超過リターン(AR)の観測頻度が高まった」という研究レポートもあるため、銘柄によっては権利確定月1カ月前にこだらずに、資金を入れてもいいかもしれません。
2021年3月(利確済)
・購入株(権利確定月:4月)
:アイ・ケイ・ケイ(2198)、トーエル(3361)、伊藤園第1種優先(25935)、テンボスホールディングス(2751)、東建コーポレーション(1766)
・購入額:74,719円
・売却額:84,433円
・損益額:+9,714円
・損益率:+13.0%
3カ月連続でプラス。
タイミング的にグロース株優位からバリュー株優位への市場の変化等(ローテーション)に乗れたことで、割と大きくプラスとなって着地しました。
各銘柄のファンダメンタル分析等を省略して購入し、あとは基本的に月末まで放置という手法で且つ、「1カ月間の運用」「利確済み」でこれだけの利益幅が出せれば、十分すぎる結果でしょう。
1年通してやらない場合でも、株式市場のローテーションに合わせて一定の期間だけ、「優待銘柄への先回り投資」を取り入れてもいいかもしれませんね。
2021年4月(確定済、一部持ち越し)
・購入株(権利確定月:5月)
:銚子丸(3075)、ヤマシタヘルスケアHLDGS(9265)、TAKARA&COMPANY(7921)、イーサポートリンク(2493)、サツドラホールディングス(3544)、キャンドゥ(2698)
・購入株(権利確定月:6月):日本マクドナルドHLDG(2702)、ラックランド(9612)
→ 月末時点でマイナス且つ、5月に再エントリー予定だったため、来月に売却持ち越し
・購入額:78,974円
・売却額:77,928円
・損益額:-1,046円
・損益率:-1.3%
優待株への先回り投資を始めて4か月目で、とうとうマイナスの結果が出てしまいました。
まん延防止等重点措置と緊急事態宣言の発令で、日本株の全体的な地合いが悪く、特に外食系への悪影響が大きかったことが、マイナスで終わった主な原因でしょう。
今回の株価の動きで、市場全体への強いマイナスの変動要因には、権利確定月の1~2ヶ月前の株価押し上げでは勝てないということが分かりましたので、この手法で負けを減らしていくためには、少なくともセクターごとの株価の動きと先行きの予想は銘柄の選定に加える必要がありそうです。
しかし、これまでは過去の成績のみで銘柄選定をし、月初に買って(原則)月末に売るという運用方法を採っていたため、リターンに対する手間を許容できていましたが、もう一手間をかけてもいいと思えるかは悩ましいところです。
また、今回は月末を待たずに 銚子丸(3075)を売却しましたが、まん延防止等重点措置の発令による下落の動きが強すぎたため、損切りをした形になります。
結果として月末まで株価はほぼ戻っていなかったですし、もう少し早く損切りをしておけば、トータルで±ゼロくらいにはできたかもしれません。
そもそも大きな値上がりを期待する投資手法でもないため、損切りのラインは低めに見ていた方がよさそうです。
今後は-6%を目安に早めに損切りを行い、上昇トレンドに転じるようであれば再エントリーする方法を採っていこうと思います。
2021年5月(利確済)
・購入株(権利確定月:6月)<先月持ち越し分>
:日本マクドナルドHLDG(2702)、ラックランド(9612)
・購入株(権利確定月:6月)
:北海道コカ・コーラボトリング(2573)、ホットランド(3196)
・購入株(権利確定月:7月)
:丸千代山岡家(3399)、シーアールイー(3458)、日本駐車場開発(9262)、シルバーライフ(9262)
・購入額:113,461円
・売却額:113,885円
・損益額:+424円
・損益率:+0.4%
数字上ではプラスでしたが、実際の手間まで考慮すれば、実質的にはマイナスな結果となりました。
エントリーしないことによるロスを避けるために「まぁ、こんな月もあるよね」と考えて年間この手法を採るべきなのか、効率性を重視して季節アノマリーなどで難しい月は別のものに資金等を振るべきなのか。
その辺りも検討した方がいいかもしれませんね。
2021年6月(利確済、一部持ち越し)
・購入株(権利確定月:7月)
:クロスフォー(7810)、ウエスコHLDG(6091)、バルニバービ(3418)、稲葉製作所(3421)
→クロスフォー(7810)のみ7月に持ち越し
・購入株(権利確定月:8月)
:カワサキ(3045)、クリエイト・レストランツHLDG(3387)、黒谷(3168)、ソーバル(2186)、カネ美食品(2669)
・購入額:69,900円
・売却額:73,500円
・損益額:+3,600円
・損益率:+5.2%
先月に続き、前半は軟調な動きをしていましたが、後半は上昇し、最終的に手法として許容できるプラス幅で着地してくれました。
ただ、クロスフォー(7810)だけはマイナス幅が大きかったため、-13%くらいになったタイミングで買い増したうえで、権利確定月の7月まで引っ張ることにしました。
月末で損切りしても全体では約3.4%のプラスでの着地にはなったのですが、さすがに権利日に向けてもっと反発するだろうと判断して持ち越し、結果、7/1終値時点でも281円まで株価は戻ってきていますが、「権利確定月に売却する」という選択肢も採り入れると、もはや普通の株の売買となり、手法の簡潔さが失われてしまうため、今後どうしていくかは考えどころです。
2021年7月(確定済)
・購入株(権利確定月:7月)
:クロスフォー(7810) ― 先月からの持ち越し
・購入株(権利確定月:8月)
:カネ美食品(2669)、カワサキ(3045)、福島印刷(7870)
・購入株(権利確定月:9月)
:ラックランド(9612)
・購入額:90,067円
・売却額:95,036円
・損益額:-523円
・損益率:-0.5%
結果はマイナス。
市場全体として厳しい地合いでしたが、そんな中でもカワサキ(3045)が伸び、先月から持ち越したクロスフォー(7810) のマイナスをある程度打ち消してくれた、といった感じでしょうか。
ちなみに、今回からクロスフォー(7810) の優待に変更があったのですが、購入時点で既に大きく値下がりしていたことから、さすがに優待に向けて上がっていくだろうとの判断で購入しています。
しかし、結果は惨敗。変更のある優待株に関しては、“明確な改良”でない限りは購入を避けるべきということを、身をもって学ぶ結果となりました。
1年間トータル(1~7月)
・購入額:525,555円
・売却額:547,640円
・損益額:+22,085円
・損益率:+4.2%