オニグルミの実を採って食べる

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 4月に野草を採取して以来、特に野草や木の実の類を採取してきませんでしたが、あっという間に時期は秋に。

 そして、秋と言えば、やはり木の実の採取時期です。

 ただ、様々な木の実を採取できる時期ではありますが、私は野草も木の実もなるべく、
「見つけやすい」、「同定しやすい」、「ある程度の量を一度に採取できる」「処理が容易」、(できれば)「ある程度の保存が効く」
 という条件を満たすものを選んで採取するようにしています。

 このような条件を満たす木の実と言えば、ドングリ(マテバシイやスダジイ)が分かりやすい例かと思いますが、もう1つ、以上の条件を満たすものがあります。

 それが、クルミの実です。

 自生しているクルミは(ほぼ全て)オニグルミになりますが、これは河原によく生えていますし、葉が出る前の芽や花期の花を見れば木の同定も容易です。また、実も特徴的なので、まず間違うことはないでしょう。
 そして、実を食べるのにアク抜きなどの処理が不要であり、殻のままで保存しておけば1年はもつようです。

 9月から拾い始め、既に何度か食べていますが、味も市販のクルミよりも少し味が濃い感じがして、美味しいですよ!

 というわけで、この記事では、私が今秋、実際にオニグルミを採取して食べてみた際の経験を元に、オニグルミの採取の仕方や食べ方の説明をしたいと思います。
 比較的手間の少ない方法を採っているので、ぜひ参考にしてみてください。



・採取場所

 オニグルミの木は、基本的に河原に生えています。
 河原の川沿いです。こうすることで、生息域を下流へと広げていくのでしょう。

 皆さんがお住みの地域にある河川敷にも、生えている可能性が高いです。
 ただ、オニグルミの木はかなりの大きさにまで成長するので、整備のために伐採されている可能性もあります。
 何カ所か探してみてください。

 オニグルミの木がどんなものか分からない場合には、とりあえず、川沿いを歩いて、樹皮が白っぽく、先端まで枝の太い、大きめの葉が付いている木を探してみてください。
 8月から9月中旬くらいまでは、枝に実が付いているので分かりやすいかと思います。

 9月末くらいには、多くの実が既に地面に落ちているので、それらしい木を見かけたら、その下を探してみましょう。

 また、多くはないと思いますが、公園に植えられている場合もあります。
 私の近所の公園(っぽくなっている場所)にも1本だけオニグルミの木が生えており、河原よりも草などが少なく回収しやすいため、私はそちらで採取することが多いです。

 いずれにせよ、クルミの木だと見分けやすい時期であれば、比較的容易に見つけ出せるはずです。

 一番良いのは、8月に河原などを散策して、実の付いたクルミの木を見つけておくことでしょうか。特に河原で採取する場合、下に丈のある草が茂っていると、パッとみただけでは実が見つからない場合もあるので、事前に木を見つけておくのが無難です。

 また、春の花期にもオニグルミの木は判別しやすいです。
 白っぽい樹皮、そして、先端まで太い枝の木に、多くの花を付けるので、特徴を押さえた上で見れば、ひと目でかるでしょう。

 (4月の初めに撮影したものなので、まだ花の数は少ないですが、白っぽい樹皮、枝先まで太い枝、花の付き方などは分かるかと思います)

  なお、オニグルミは落葉樹なので、冬は葉が付いていません。その場合には、樹皮や枝に加え、芽の形で判別しましょう。特徴的な形をしています。(コチラのページなどを参照)

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・実の採取

 基本的に、落ちている実を拾います

 半数の実が既に落ちているようなタイミングなどであれば、枝に付いた状態のものをとっても実は十分に成長しているかもしれませんが、あまりオススメはしません。

 というのも、クルミを食べるためにはまず、殻の周りに付いている果肉(外皮)を取り除かなければならないのですが、まだ枝に付いている実はその果肉が固い場合が多いため、処理が面倒なのです。

 そのため、大量にクルミの実が落ちている場合には、果肉が残っていない状態の実だけ拾うようにしましょう。(上記の写真は、撮影用に果肉が残っている状態で拾ったものです)

 そのような実が十分に確保できない場合には、仕方ないので果肉が残っているものも拾うことになりますが、その際にはできるだけ、その場で果肉は取り除いてしまうことをお勧めします。
 手で取り除いてもいいのですが、ある程度果肉が腐った状態であれば、踏んだ状態で地面の上を転がすだけで、すぐに中の実を取り出すことができます。

 オニグルミの実を拾う場合、果肉が残った状態で拾ってきて、地面に埋めて果肉を腐らせたうえで、それを取り除くという作業をする方が多いようですが、時間も手間もかかりますし、結局は果肉を取り除く作業が必要になります。
 なるべく、その場で果肉を取り除けるものだけを拾ってきましょう。

 なお、クルミの実は9月の初め頃からもう落ち始めていますが、あまり数は多くありません。
 9月末くらいから多く実が落ちるようになるので、採取するのはそれくらいの時期がいいでしょう。

 また、オニグルミの果肉を素手で触るとかぶれたりすることもあるようなので、採取の際には、ゴム手袋や皮手袋などを着用しましょう。
 (まぁ、私は、薄い軍手だけ着けて、軍手をベタベタにしながら採取などをしていますが)


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・下処理

 “拾う段階で果肉を取り除いた場合”、基本的には処理と言うほどの処理は必要ありません。

 果肉が綺麗に落ちているものは、すぐに食べられますし、少しだけ残っているようなものは、外にしばらく放置しておき(野ざらし、雨ざらし)、ある程度綺麗になったら、乾いたタイミングで回収しましょう。
 食べる前にタワシなどで洗って果肉を取り除けられれば問題ないので、あまり神経質になる必要はありません。

 果肉が多く残っているものや、果肉が固くて取り除けないものがあれば、それらはしばらく土に埋めておき、果肉を腐らせましょう。

 量が少なければ、大きめのプランターなどに土を入れて、そこにクルミの実を入れおいても問題ありません。

 量が多い場合には、地面に穴を掘って埋めるのが一般的ですが、大型のポリポットをホームセンターなどで購入し、それに土を入れて埋めると、掘り返すのが楽なのでオススメです。(そのポリポットでジャガイモなども育てられます)

 
 そして、1カ月ほど経ったら一度掘り返し、果肉が十分に取り除けていないものがあれば、さらに1カ月ほど埋めておきましょう。
 果肉が十分に取り除けたものは、しばらく野ざらしで放置しておき、乾いたタイミングで回収してください。


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・実食

 クルミは生でも食べられるので、拾ってきてすぐに食べることができますし、何なら、拾ったその場で食べることも可能です。

 ただ、食べるためには当然、殻を割る必要があり、慣れるまではこれが大変なのです。

 オニグルミの殻は固く、そのままでは綺麗に半分に割ることは非常に難しい。石やハンマーでなら叩き割ることはできますが、その場合には粉々になる可能性が高いです。

 しかし、クルミの実を殻ごと加熱すると、殻に割れ目ができ、そこからなら綺麗に半分に割ることができます
 そのため、オニグルミの実は加熱して食べることが一般的。どうしても加熱せずに食べたいという場合には、和くるみ割り器などを使うとよさそうです。(加熱して食べる場合にも、あった方が便利かと思います)

 
 加熱の方法は、空炒りや電子レンジなどの方法もあるようですが、私はオーブンを使っています
 これまで試した限りでは、アルミホイルで包んだ状態で5分ほど加熱し、その後、アルミホイルから出した状態で5分ほど加熱すると、割れ目ができる確率が高く、且つ中の実が取り出しやすいような気がしていますので、オーブンを使う場合には参考にしてみてください。
 (温度設定機能などのない古いオーブンを使っているので、何度くらいになっているかは分かりませんが……おそらく200℃程度でしょうか)

 ただ、オーブンを使うにせよ、空煎りするにせよ、実が乾燥している場合には、オニグルミの実は焦げやすいので注意してください。
 殻にはあまり変化がなくても、中の実は丸焦げのような状態もよく起こります。最初は短い時間で試してみましょう。

 また、事前に水に浸けておくと、焦げにくく、且つ割れやすくなるようなので、うまく殻が開いてくれない場合には試してみてください。

—-17/10/27追記—-
 湿気などの影響で実に水分が多く含まれている場合にも、焦げにくくなります。
 ただし、実に火が通るのに時間が多く必要になるので、外で実を保存している方はその点を考慮して、加熱時間を調整してください
————————— 

 さて、割れ目ができたら、そこに刃を入れて半分に割るのですが、この作業は注意して行ってください
 クルミの実(殻)は転がりやすいので、実を下に置いて上から刃を入れる場合には、実が転がったタイミングで、自分の手などを刃で切る可能性があります。実が転がらないように十分に気を付けてください。

 また、私は小さいナイフで割っていますが、強度があり、割れ目に入るような細さがあれば刃物でなくても構わないので、何かちょうどいいものが自宅にあれば、それを使うことをお勧めします。一番いいのは、やはり先ほど挙げた和くるみ割り器なんでしょうね。
 

 

 殻が割れたら、中身を取り出して食べましょう。
 つまようじなどでは上手く取り出せないでしょうから、金属製の先が尖ったものを使うことをお勧めします。
 私は、外出時の爪切りセットのようなものに入っている、ヤスリ部分以外の用途がいまいち分からないヤツを使っており、現状ではこれが一番良いのですが、まぁ、似たようなものなら何でもいいかと思います。
 (先端の尖った部分や、ヤスリ部分の後ろにある窪みは本来、何に使うんでしょうか……)

 クルミの実を取り出す用の道具も市販されているようなので、大量に拾ってきた場合には、購入を検討してもいいかもしれませんね。

 

 なお、実を取り出す際には、実をハートに見立てた場合の下の部分から取り出すと、綺麗に取り出せる場合が現状では多いです。(画像○部分)

(加熱の仕方などで取り出しやすさは変わるようなので、色々試してみてください)

 取り出せたら、あとは好きなように食べましょう。
 私はそのまま食べることが多いですが、料理やお菓子の材料にしても、もちろん美味しいかと思います。

 

 拾う段階で果肉を極力取り除き、殻を割るのにも一度慣れさえすれば、結構楽にクルミをタダで食べられるようになります。
 ぜひ皆さんも、(9月末くらいから、)オニグルミの実を採取して、食べてみてください。

—-18/07/12追記—-
 採取してから半年以上経ったにも関わらず、クルミがまだ1kgほど残っており、さすがに実の劣化が気になってきたため、記事内でも紹介した古沢製作所の和くるみ割り器を購入し、実を取り出して冷凍保存をする作業を始めました。


 割れ目が閉じた状態でもかなり簡単に割れるので、すぐに消費できる量を超えて採取した場合や、一度に多くのクルミを使いたい場合には、やはり購入しておくべきでしょう。
 また、生のクルミを食べたい場合には必須です。

 なお、くるみ割り器を使ってクルミを割るときには、ビニール袋などの中でやると、実や殻の破片が飛び散らないので後片付けがラクになります。
 ぜひ参考にしてください。


・参考資料

●美味しい木の実ハンドブック

 →何冊か木の実に関する書籍を読みましたが、鮮明な写真が多く載っており、記述内容も適量であるため、この本は非常にオススメです。
(品薄状態のようなので、在庫があるときにお早めの購入を)

 

●カメ五郎の狩猟生活(その17)


 →「オニグルミを採取して食べてみよう」と思ったきっかけの動画です。

 ↓youbube版

 

●ネットページ

・「樹木図鑑(オニグルミ)」(木のぬくもり・森のぬくもり)
 http://www.jugemusha.com/jumoku-zz-onigurumi.htm
・「鬼胡桃(オニグルミ)の雄花雌花~」(自然風の自然風だより)
 http://shizenkaze.exblog.jp/21738539/
 →オニグルミの樹皮や葉、花、芽の確認に。
  実が付いていない(既に落ちてしまった)時期に木を探す場合には、特に参考になるでしょう。

・胡桃の殻を割る方法(つくる楽しみ)
 https://ws-plan.com/tsukuru/kurumi-kara.html
 →クルミの加熱の参考に。


●関連記事


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