私の好きな漫画たち

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 先日ふと、「本は読む度に、メディアマーカーやtwitterで感想を書いたり、必要であれば読書ノートのようなものを作ったりしているのに、漫画は一切そういったことをしていないな……」と思い、漫画を読みっぱなしにしているのは「もったいない」ような気がしてきました。

 そこで、この記事で実験的に、私がこれまで読んだ漫画の中で、特に私が好きなものを挙げていき、コメントを加えていくことにしたいと思います。(随時追加予定)

 かなりジャンル等に偏りがあるかと思いますが、皆さんの漫画選びの参考になれば幸いです。


 *以下、漫画の並びは著者の名前順です。
 *ジャンルの表記は、私の主観と独断に基づくものです。

■青樹うめ『ひだまりスケッチ』

・連載誌:まんがタイムきららキャラット
・未完。既刊9巻。
・ジャンル:学園日常系

―公式紹介―
 憧れのやまぶき高校美術科に入学したゆの。親元を離れ、学校近くのひだまり荘で友人達と楽しい日々を送りながら、今ゆっくりと夢に向かって歩き出す。女の子達の日常をやさしくカラフルに描き出す、蒼樹うめのデビュ-作、どうぞお見逃しなく!! 

―コメントー
 美術がテーマの学園日常系。ただし、美術要素はそれほどありません。
 基本的には「女の子たちが楽しい日常を送る様を眺める漫画」ですが、要所要所で描かれる、キャラクターの葛藤や成長がいいアクセントとなっています。
 アニメもなんと4期まで作られた、まんがタイムきらら系の看板作品。もう10年以上続いていますが、学園日常系でネックとなる”学年交代”が割とうまくできているので、安心して読めますよ。

 

■赤坂アカ『かぐや様は告白させたい』

・連載誌:ヤングジャンプ
・未完。既刊5巻。
・ジャンル:頭脳戦学園ラブコメ

―公式紹介―
 家柄も人柄も良し‼︎将来を期待された秀才が集う秀知院学園‼︎その生徒会で出会った、副会長・四宮かぐやと会長・白銀御行は互いに惹かれているはずだが…何もないまま半年が経過‼︎プライドが高く素直になれない2人は、面倒臭いことに、”如何に相手に告白させるか”ばかりを考えるようになってしまった!?恋愛は成就するまでが楽しい‼︎新感覚”頭脳戦”ラブコメ、開戦‼︎

―コメントー
 頭脳戦ラブコメ……なのですが、あくまで”ラブコメ”なので軽めに仕上がっており、しかもメインの二人が致命的にヘタレなので、読んでいてホッコリする作品になっています。

 

■赤松健『ラブひな』

・連載誌:少年マガジン
・完結、全14巻。*文庫版は全7巻。
・ジャンル:ラブコメ

―公式紹介―
 子どもの頃、少女と交わした“一緒に東大に行こう”という約束を守るため、2浪中の浦島景太郎は家を追い出され祖母が経営する旅館へやってくる。が、そこは男子禁制の女子寮になっていた! 追い出されそうになるものの、何とか管理人の立場に就いた景太郎。女子寮には、同じく東大合格を目指す成瀬川なるを筆頭に、個性溢れる美少女たちが勢揃い!彼女達に振り回されながらも、景太郎は東大合格を目標に、前向きに頑張っていく!

―コメント―
 私が初めて(まともに)読んだラブコメ漫画が、この『ラブひな』。
 オーソドックスなラブコメだと思いますが、キャラクターで魅力的で、動かし方も巧い。「ラブコメのお手本」と言える作品なのではないでしょうか。
 なお、この作品によって、赤松先生は一気に少年マガジンの顔となったと思います(アニメ化もされました)。現在、その赤松先生が立ち上げた「マンガ図書館Z」にて”全話”無料公開もされているので、ぜひ一読を。

 ちなみに、私はこの作品の影響からかずっと、「いつか路面電車に乗りたいなぁ……」と思い続けています。いい加減、乗りに行こう。

 

■赤松健『魔法先生ネギま!』

・連載誌:少年マガジン
・完結、全38巻。*新装版は全19巻。
・ジャンル:魔法系ファンタジー、ラブコメ。

―公式―
 父親のような立派な魔法使いになりたい! そんな志を胸に、魔法学校を卒業した少年・ネギ。彼の修業先は、なんと、日本の学校で先生になること!? 女子校で自分より年上のお姉様たちに圧倒されながら、居候させてもらっているアスナ達に助けられ、なんとか先生修業をこなすネギ。死んだと言われながらも、本当はどこかで生きているはずの父親に会う日を夢見て、ネギは魔法使いとして、そして先生として成長していきます!!

―コメント―
 先ほど挙げた『ラブひな』の次の、赤松先生の作品。
 序盤はラブコメ要素が強いですが、ラブコメ要素をきちんと残しながらも、「魔法」、「偉大な魔法使いの父親」といった設定要素を巧く活かし、徐々に熱いバトル展開へとなっていきます(「萌え」と「燃え」の融合)。『ラブひな』同様、キャラが魅力的なのも良い。
 連載当時は、赤松先生の戦略の巧さもあってかなり盛り上がった作品ですが、今読み返しても非常に良くできた作品です。

 初めての参加したアニメ系ライブだった、「Princess Festival」のことも思い出しますねぇ…。

 

■秋元治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』

・掲載誌:少年ジャンプ
・完結、全200巻。
・ジャンル:コメディ

―公式紹介―
 空前絶後の三大大記録を達成!!!! そして今も尚その記録を更新し続ける日本を代表するギャグ漫画!! 派出所に勤める両さんこと両津勘吉はなによりもお金儲けが大好きな型破りなお巡りさん。そんな両さんが、超絶セレブの中川・麗子、超堅物上司の大原部長、他にも大勢いる超個性豊かなキャラ達と繰り広げるドタバタ人情ギャグを繰り広げるぞ!!

―コメント―
 皆が知っていると言ってもいいであろう『こち亀』。連載は1976年から2016年と、なんと40年間も続き、その巻一度も休載もなければ、打ち切りの検討もなかったという凄い作品です。
 基本的には(ギャグというよりは)コメディ漫画なのですが、改めて読み返してみると、その当時に流行っていたものや、社会情勢などを窺(うかが)い知ることができて非常に面白い。
 そして、様々な物事に積極的に取り組み、(多くの場合は)楽しんでいる両さんの姿から、色んな物事に取り組む気力がもらえる作品でもあります。

 小学校の頃、夕方に再放送されていたアニメを観るのが楽しみだったことを思い出しますねぇ…。(静岡県東部民あるある)

 

■アサミ・マート『木造迷宮』

・連載誌:COMICリュウ
・完結、全12巻。
・ジャンル:日常系

―公式紹介―
 世間の片隅で三文小説を書いて暮らす冴えない独身男のダンナさん。
でも彼が暮らす古い木造家屋には、可愛くて家事上手なお手伝いさん・ヤイさんがいてくれる……。
照れ屋で気持ちを伝えるのが苦手なふたりの、恋愛未満ほのぼの日常物語。

―コメントー
 売れない小説家と可愛いお手伝い(女中)さんの、ホッコリする日常系。
 昭和的な世界観も相まって、ただただホッコリするのです…。「古き良きもの」が詰まったかのような作品。

 

■あずまきよひこ『あずまんが大王』

・連載誌:コミック電撃大王
・完結、全4巻。
・ジャンル:学園日常系。

―公式紹介―
 あなたが読みたいと思っていたのもたぶん、こんなマンガです。つっぱってるけど実はカワイイもの大好きな榊さん、空回り暴走元気少女のともちゃん、10歳の天才女子高生・ちよちゃん、担任の自覚がないゆかり先生……などなど、フツーの女子高生のなんかどうでもいい毎日。そんなところがいいんです。「天地無用」「大運動会」「To Heart」シリーズほかで大人気のあずまきよひこが贈る、ちょっとズレた人々のなんかほのぼのしちゃう4コマストーリーマンガ。

―コメント―
 その後の日常系漫画に大きな影響を与えたであろう作品。(ただし、似た作品を作り出せた人は少ないと思われます)
 ジャンルとしては「学園日常系」ですが、きちんとキャラたちに世界を作らせられており、それが他の作品には出せない安定した面白さを生み出しています。「繰り返し読んでも苦にならない作品」の典型例と言えるでしょう。
 次に挙げる『よつばと!』と作者が同じ(こちらが先)で、『よつばと!』の方が知名度が高いかと思いますが、個人的にはこの『あずまんが大王』の方が好きです。

 ちなみに、大幅に加筆修正された新装版もあります(全3巻)。

 『よつばと!』しか読んだことのない方は(絵柄が近くなっているので)新装版でもいいかもしれませんが、話が変わってしまっている部分などもあるので、私は従来版の方をお薦めします。(そして、気に入ったら新装版も買いましょう)

 

■あずまきよひこ『よつばと!』

・連載誌:コミック電撃大王
・未完。既刊13巻。
・ジャンル:日常系。

―公式紹介―
 とってもかわいくて、はちゃめちゃな女の子、よつばちゃんには世界が新鮮な驚きでいっぱい!
 なんでも楽しめちゃう無敵のよつばちゃんと、とーちゃんと、その周囲の人たちが繰り広げるささやかな日常にきっとあなたも引き込まれます!

―コメント―
 先ほど挙げた『あずまんが大王』と同じく、きちんとキャラに世界を作らせられており、安定した面白さがありますが、こちらはほのぼの感が非常に強い作品になっています。
 キャッチフレーズは、「いつでも今日が、いちばん楽しい日。」
 純粋すぎるよつばを中心に作りだされる、楽しく優しい世界。多くの人に癒しを与えられる作品でしょう。

 

■安倍夜郎『深夜食堂』

・連載誌:ビッグコミックオリジナル
・未完。既刊18巻。
・ジャンル:人情系料理物。

―公式紹介―
 歓楽街の端にある小さな店『深夜食堂』。営業時間が夜の12時から朝の7時頃までだから、みんなが勝手にそう呼んでいる。そこは、メニューはわずか、あとは食べたいものを勝手に注文すれば、作れるものならなんでも作ってくれる変わった店だった…。

―コメント―
 店主が作る料理と、登場人物たちの(多くはその料理にまつわる)人間ドラマの両方が楽しめる作品。
 登場する料理は身近な料理が多いため、登場人物たちだけでなく、読者もその料理から色んなことを思い出すことができるでしょう。
 また、自分で作ることができるものも多いので、生活に色どりを添える手助けにもなる作品です。

 

■安倍吉俊『リューシカ・リューシカ』

・掲載誌:ガンガンONLINE
・完結、全10巻。
・空想日常系。

―公式紹介―
 あんたの将来が心配だ。だけどおもしろいから放置してるんだ――。少女の眼に映るのは、ちょっとズレてて、いつもフシギな新世界。「灰羽連盟」「ニア アンダーセブン」の実力派作家がゆるゆると描く、空想少女の日常生活。

―コメント―
 既に挙げた『よつばと!』に似ていると、ネット上ではよく聞かれる作品。
 しかし、『よつばと!』では日常の出来事に対し、それを純粋に受け入れて楽しむといった対応をし、それがほのぼのとした世界へと繋がっているのに対し、この『リューシカ・リューシカ』では子どもの純粋さが故の空想を膨らましていくといった対応になるため、かなり性格の違った作品になっています。
 一言で言えば、「忘れていた世界を思い出させてくれる作品」。今それを思い出してみると、新しいものが見えてくるかもしれませんね。

 

■あらゐけいいち『日常』

・掲載誌:少年エースなど
・完結、全10巻。
・ジャンル:学園ギャグ系

―公式紹介―
 妄想がふくらみがちな夢見る女子高生・ゆっこの回りにはロボやらヤギやら謎なものがいっぱい。今日も微妙にシュールな日常が始まります。

―コメント―
 割と変わった雰囲気のギャク漫画で、シュールな話も多いですが、それを含めて巧く作品の空間が構築されており、(一つ一つのギャクで笑わせるというよりは、)その空間全体で読者を楽しませるような作りとなっていると思います。
 また、登場人物とその所属を活用し、ほっこりする話なども巧く入れていることで、空間が安定し、安心して読むことのできる作品になっています。

 ちなにみアニメ化もされ、(再編集されたものが)NHKでも放送されましたが、そちらもこの作品独特の空間を巧く作れていたと思います。お薦め。

 
 
■異識『あっちこっち』

・掲載誌:まんがタイムきらら
・未完。既刊7巻。
・ジャンル:学園日常系。

―公式紹介―
 素直になれないツンデレ娘のつみきさんと、史上最強の朴念仁の伊御さん。誰から見てもすごくイイカンジの二人だけど、まだまだ恋は始まらない!? 読めばゴロゴロすること間違いなし! 次世代ツンデレヒロイン登場の初コミックスです! 

―コメント―
 「日常系ラブコメ」のといった枠に入る作品なのかもしれませんが、実際のところは、「ギャグ要素が強い日常系」作品といった感じ。
 ただ、そのギャグで「日常系」の良さを壊していない(だからこそ「日常系」に入る)ところが、この作品の良いところ。……改めて考えると、なかなか不思議な作品ですね。

 

■石塚千尋『ふらいんぐうぃっち』

・掲載誌:月刊少年マガジン
・未完。既刊6巻。
・ジャンル:魔女物日常系。

―公式紹介―
 黒猫のチトと一緒に横浜からやってきた真琴は、青森の親戚の家で暮らしはじめました。実は彼女は魔女。今はまだ空をとぶくらいしかできないけれど、又いとこの圭や千夏たちと毎日げんきに暮らしてます。

―コメント―
 田舎物日常系に魔法や魔女の要素を加えたような作品で、非常にほっこりする仕上がりとなっています。
 登場人物が「萌え系ではない可愛さ」に満ちている点も、ほっこりさを加速させています。

 アニメ化されましたが、そちらも非常に良かったです。
 少なくとも5回は観ましたからねぇ…。それくらいほっこりできる、貴重な作品です。

 

■氏家ト全『妹は思春期』

・掲載誌:ヤングマガジン
・完結、全10巻。
・ジャンル:下ネタ日常系

―公式紹介―
 微妙な兄妹愛4コマ 念願の兄と同じ高校に合格した妹・城島カナミ。カワイくて、なかなか成績優秀で料理も得意な、よくできた妹。しかし天然なのかネタなのか思春期パワーでなんでも下ネタにもっていく彼女の言動に、兄・シンジはふりまわされる!!

―コメント―
 「下ネタ漫画」と断言できる作品。
 ただ、この作品の良いところは、下ネタが基本的に女性から男性へのものであり、しかもそれがエロくなく、くすりと笑えるギャグになっている点。
 何も考えずに気楽に読める下ネタ漫画って、珍しいですよね。気分転換するには非常に良い作品だと思います。

 

■氏家ト全『生徒会役員共』

・掲載誌:マガジンSPECIAL → 少年マガジン
・未完。既刊15巻。
・ジャンル:下ネタ系学園物

―公式紹介―
 元は伝統ある女子校だったが近年の少子化の影響で共学化した私立桜才学園。その数、女子524人、男子28人、つまりハーレム! 生徒会だって女子だらけ♪‥っていってもそんなに楽じゃありません。強引に生徒会副会長にならされた津田タカトシは、日々女の子達の天然な妄想にツッコミをいれます。ほんのり下ネタ風味学園4コママンガゆる〜っと始動です♪

―コメント―
 先ほど挙げた『妹は思春期』の著者の(次の)作品。
 『妹は思春期』同様、「下ネタ漫画」であり、下ネタの扱い方も同じなのですが、こちらは掲載誌が少年誌ということもあってネタが少しマイルドになり、結果として、ゆるい日常系の枠に入っていると思われます。
 そのうえで、同じく少年誌への対応としてキャラの可愛さなども加わったため、こちらはこちらで、気軽に楽しんで読める作品になっています。

 

■樫木拓人『ハクメイとミコチ』

・掲載誌:ハルタ
・未完。既刊5巻。
・ジャンル:ファンタジー日常系

―公式紹介―
 背丈は9センチ。森の奥で暮らす彼女たちは、とっても小さいのです。
 ハクメイとミコチ。緑深き森で暮らしている、小さなふたりの女の子。木の洞(うろ)に家を造ったり、葉っぱを傘にしたり、昆虫や鳥の背に乗ったり……身長9センチメートルなら、そんな事も出来るのです。
 そーっと覗いてみませんか? 穏やかで愉快で、とびきり愛らしいその生活を。

―コメント―
 小人と動物(昆虫などを含む)が共に暮らす世界を描く、日常系漫画。
 その世界観や小人から見た自然の描写などが、ひたすら”素敵”。
 そして、登場人物たちの生活にホッコリさせられる作品です。

 

■木々津克久『フランケン・ふらん』

・掲載誌:チャンピオンRED
・完結、全8巻。
・ジャンル:医療系ホラーコメディ

―公式紹介―
 謎の美少女・ふらんのメスが光る時、生み出されるのは奇跡か悪夢か!? 新感覚メディカル・ホラー登場!!

―コメント―
 人間の欲や人間の価値観いったものを、ブラックユーモアでぶった切る作品、といった感じでしょうか。
 基本的な話の作りは、各人物が持ち込んだ問題に応じて、主人公が悪気なく(主人公が)最善と思う手術(改造)を行う、が、その結果は……といったもの。『ブラックジャック』(の一部の話)や『笑ゥせぇるすまん』などを合わせたような話と思っていただければ、大体合っているかと思います。
 一話完結型で読みやすく、なかなか考えさせられる話も多いのでオススメなのですが、如何せんグロい。グロさを売りにしているわけではなく、ブラックユーモアのパーツとして使ってだけなので、それほど不快さはないかと思いますが、グロい表現が苦手な人は注意してください。

 

■熊之股鍵次『魔王城でおやすみ』

・掲載誌:少年サンデー
・未完。既刊3巻。
・ジャンル:睡眠ファンタジーコメディ

―公式紹介―
 かつて、人と魔が存在していた時代── 魔王は人間の姫をさらい、自らの城に幽閉した。 人々は怒り、勇者は姫を救うために旅立つ!! そんな中、檻の中で姫は想う… 「寝る以外、する事ない」
 安眠する方法を探すため、囚われの姫が魔物を狩ったり、宝物庫に忍び込んだり・・・! 新感覚、睡眠ファンタジーコメディー!!

―コメント―
 可愛らしい姫様が、”睡眠のためだけに”、魔王城であれやこれやと画策し、魔物たちはそれに振りまわれる――という、非常にくだらない作品で、その「くだらなさ」こそが良い。
 ストーリーもあってないようなものなので、何も考えずに読んで楽しむには最高の作品でしょう。

 

■久米田康治『さよなら絶望先生』

・掲載誌:少年マガジン
・完結、全30巻。
・ジャンル:社会派学園ギャク

―公式紹介―
 桜咲く4月。希望に胸を膨らませた登校途中の少女が、桜並木で出会ったのは、新クラスの担任の先生だった‥‥。そこまでは良い話。その先生の名は糸色望。学校から飛び下りたり、すぐ不登校になったり、超迷惑なネガティブ教師だった! 通称「絶望先生」が引っかき回すクラスでは、予想不能な事件が毎回毎回起きるのです!

―コメント―
 世の中の様々な事物、現象に「絶望」で切り込む、社会派ギャグ漫画(作者は社会派と言われたくない模様)。
 きちんと切り込みながらもギャグにしてしまうのが、この作品の凄いところ。そして、様々な現象に名前をつけて、読者にそれをはっきりと認識させてしまうのも、この作品ならではの魅力。
 キャラも軒並み魅力的で、個人的には久米田作品の最高傑作だと思っています。ただ、「カバーに使われていた紙がもう手に入らない」などの都合で、現在は絶版になっています。もし全巻並んでいる書店などがあれば、迷わず購入しましょう(多分ないと思いますが)。

 なお、アニメは商業的にはあまり成功しなかったようですが、なかなか挑戦的で面白く、ネットでの評判はすこぶる良いアニメでした。
 ……「絶望放送」も楽しかったですよね。あの頃のワクワク感を、もう一度味わいたいものです…。

 
 

■クール教信者『おじょじょじょ』

・掲載誌:まんがライフ
・完結、全4巻
・お嬢様ラブコメ

―公式紹介―
 金持ちをこじらせて、周囲から孤立するお嬢様・地獄巡 春。彼女が出会ったのは、無口で時代錯誤な変人・川柳 徒然。それは、お嬢様にとって初めての友達。そして、初めての…?

―コメント―
 『旦那が何を言っているかわからない件』や『小林さんちのメイドラゴン』の作者の、商業誌初連載作品。
 「高飛車で不器用なお嬢様と、変わり者の男子のラブコメ」という、割とよく見かける大枠をしていますが、”クール教信者さんらしい”人間ドラマが、非常に良く描かれています。
 クール教信者さんは、キャラ(人)の闇の部分を描くのが巧く、しかもそれを、さり気なく放り込んでくる印象なのですが、 『おじょじょじょ』はラブコメということもあって、そういった要素が特によく活きている作品だと思います。 
 クール教信者さんの作品には好きなものが多いですが、私はこの『おじょじょじょ』が一番好きです。

 

■koi『ご注文はうさぎですか?』

・掲載誌:まんがタイムきららMAX
・未完。既刊5巻。
・日常系

―公式紹介―
 「♪うっさぎ~うっさぎ~」と無邪気に、喫茶ラビットハウスにやってきたココア。実は、そこが彼女が住み込むことになっていた喫茶店で…。お店で出会う女の子たちも、クールでちっちゃいチノ、軍人気質なリゼ、おっとり和風な千夜、気品あふれる庶民派シャロと全方位からかわいさと笑い が炸裂!「ほっこり」と「にっこり」と「もふもふ」をあなたに☆

―コメント―
 「可愛い女の子の、可愛い女の子同士のやり取りに癒されたい」という場合には、この作品の右に出るものはそう多くないはず。
 男のキャラは、父親くらいしか出てこず(祖父もいるが、祖父としては出てこない)、百合要素も弱いので、安心して、ただただ癒されることができます。

 アニメも2期放送されましたが、そちらも癒される作品です。
 (ただ、声優の世代交代はこうして進んでいくんだろうなぁ…と思う作品でもあって、少し淋しさも覚えます)

 

■九井諒子『ダンジョン飯』

・掲載誌:ハルタ
・未完。既刊5巻。
・ジャンル:料理系ファンタジー

―公式紹介―
 待ってろドラゴン、ステーキにしてやる!
 九井諒子、初の長編連載。待望の単行本化!
 ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。
 再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。
 そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう!」
 スライム、バジリスク、ミミック、そしてドラゴン!! 襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!!

―コメント―
 異世界料理物が最近増えてきた印象ですが、この作品はファンタジー世界で「モンスターを調理して食べる」という、かなり変わった路線です。
 切り口が変わることで、ファンタジー世界がより「ファンタジー」なものになっていて、ファンタジー作品好きも、そうでない人も楽しめる作品になっていると思います。

 

■梧桐柾木『市場クロガネは稼ぎたい』

・掲載誌:少年サンデー
・完結、全13巻。
・ジャンル:経済系学園物

―公式紹介―
 少年よ大金を抱け?学園マネーゲーム開幕!
 私立・学円園学園。ここは一風変わった教育システムを基としている。
 それは…学園内で稼いだ”金”が進級・卒業・就職の全てを決める、というもの! このシステムで実社会へ有用な人材を送り出しているのだ。
 そして今この学園に、1人の少年が降り立った。その男の名は市場クロガネ! 財閥御曹司でありながら、自らの力を試しにこの学園へ入学したのだった……働く女のコが盛りだくさんの、学園マネーゲーム開幕!!

―コメント―
 少年サンデーで経済系を、しかも学園物でやるという、なかなか挑戦的な作品。
 経済系の中でも「投資」と「運営」に比重を置いた作品ですが、掲載が少年誌ということもあって、非常に読みやすく、魅力的なキャラクターやストーリーも備えられているという、なかなか貴重な作品になっています。青年誌で掲載したら、こうはならないでしょう。

 

■桜井のりお『みつどもえ』

・掲載誌:少年チャンピオン → 別冊少年チャンピオン 他
・完結、全19巻。
・ジャンル:学園ギャク

―公式紹介―
 とってもかわいくて、とってもおかしな小学6年生の丸井家三つ子三姉妹が大暴れ♪ 

―コメント―
 序盤は「ギャグで押す」性格がかなり強いですが、徐々にそれぞれのキャラの魅力も巧く描き出されていき、それらがうまくまとまって”安定した”面白さのある作品になっています。
 ギャグ物で19巻も続いたのは、その安定した面白さ故でしょう。

 

■佐倉準『湯神くんには友達がいない』

・掲載誌:少年サンデー
・未完。既刊11巻。
・ジャンル:変人お一人様系学園コメディ

―公式紹介―
 ぼっち最高!お一人様コメディーの決定版
 転校生・綿貫ちひろの隣の席の湯神くんは、ちょっと・・・というか、すごく変わってます。
 野球部のエースでありながら、野球部に溶け込んでないし、クラスでもなんとな〜く浮いた存在・・・
 そんな湯神くんは、いつだって一人を満喫しています。
 新感覚お一人様コメディー開幕です!!

―コメント―
 「ぼっち系」という作品は今やかなり多い印象ですが、この作品は、主人公がぼっちでいることに問題を感じておらず、しかも行動的で、さらに野球部のエースでもあるということから、本人にはいたって楽しく過ごしており、周囲がそれに振り回される、という作りになっています。
 なかなか変わった作品で、そこに他の漫画にはない面白さがあります。

 

■桜場コハル『みなみけ』

・掲載誌:ヤングマガジン
・未完。既刊16巻。
・ジャンル:日常系

―公式紹介―
 南さんちの3姉妹、その平凡な日常をまったりと。 ハルカ、カナ、チアキ、南家(みなみけ)の3姉妹が贈るワンダフルまったりショートストーリー。他愛もない日常の事件が、時に大きく、いつもは小さく発展していくサマをお楽しみください。

―コメント―
 「この物語は南家3姉妹の平凡な日常を淡々と描くもの」(アニメ版冒頭)であり、ジャンルとしても日常系に入るかと思いますが、その日常的なことを非常に巧くギャグに昇華している作品です。
 さらに、そういった意味ではイレギュラーな存在であろう個性の強いキャラが、また違った味を生み出しているのですが、それでも「南家3姉妹の平凡な日常」は壊れず、安心して読めるあたりが凄い。

 

■佐野妙『森田さんは無口』

・掲載誌:まんがライフMOMO、まんがくらぶ 他
・未完。既刊12巻。
・ジャンル:学園日常系

―公式紹介―
 森田さんは、人より優し過ぎて考え過ぎて、無口になっちゃう女の子。 無口だけれど、冷たくないよ──。

―コメント―
 「考え過ぎて結局何も言えないタイプの無口」の主人公とそれを取り囲む女の子たちを描いた日常系であり、その主人公の性格故に、優しさに満ちた作品になっています。

 

■瀬野反人『ポイズンガール』

・掲載誌:まんがライフ
・既刊、全3巻。
・ジャンル:毒舌日常系

―公式紹介―
 毒属性ヒロイン誕生!
 本当は心優しいのに、毒に侵されて毒舌体質になってしまったヒロイン・薬丸桃子。
 友人もなんだか困った奴らばかりで、いろいろヒドイ混沌ハイスクール4コマ!

―コメント―
 「毒舌系」の作品ですが、主人公はあくまで心優しい優等生であり、毒に侵されて毒舌に”なってしまっている”という設定から、毒舌が不快感のないギャグになっている点が、非常に面白い作品。

 アニメ化してもいい作品だと思っていたのですが、アニメ化せずに完結してしまいましたね…。残念。

 

■ソウマトウ『黒』

・掲載誌:アオハルオンライン → となりのヤングジャンプ
・完結、全3巻
・ジャンル:ダークファンタジー

―公式紹介―
 真っ黒な猫『クロ』と少女『ココ』。大きなお屋敷にふたりだけで暮らす毎日は、可愛くて楽しくて、どこか不気味でーー!? 紙袋にはまったり、スズメにじゃれたり、元気でやんちゃなクロと、そんなクロが大好きなココ。ふたりはいつも仲良しだけど、ココが気づかない、クロの一面がありーー? 謎が謎呼ぶ、フルカラーコミック!

―コメント―
 非常に可愛らしい絵柄と、それに対照的なダークな世界観。
 それらが巧くマッチしており、ホッコリするような「平穏」な日常と、その中に潜む「異常」さといったものが共存する、独特な世界が形成されている作品です。
 展開もなかなか衝撃的。これぞまさに「ダークファンタジー」と言うべき作品でしょう。
 

■空知英秋『銀魂』

・掲載誌:少年ジャンプ
・未完、既刊70巻
・SF系ギャグ

―公式紹介―
 江戸では、突如宙から舞い降りた異人「天人」の台頭と廃刀令により侍が衰退の一途をたどっていた。
 しかし一人、侍の魂を堅持する男が…。その名は坂田銀時。甘党&無鉄砲なこの男が、腐った江戸を一刀両断…するかも!?

―コメント―
 ギャグが主体の作品であり、ギャグのネタもテンポもテンションも非常に良く、面白い。
 さらに、熱い展開や人間ドラマまで巧く描かれており、笑ったり泣いたり考えさせられたり……。読者に多くのものを与える作品になっています。

 各話の間に入れられるコラム(質問への作者の返答)も面白い。文筆業でも食べていけるのではないかと思うほどです。

 

■tugeneko『上野さんは不器用』

・掲載誌:ヤングアニマル
・未完。既刊2巻。
・ジャンル:ラブコメ

―公式紹介―
 態度は強気、恋には弱気♥ 不器用すぎるヒロインが贈る、 爆笑必死のJCサイエンスラブコメディ!

―コメント―
 「報われない系天才美少女発明家ラブコメ」といった感じでしょうか。
 部長(主人公、上野さん)がひたすら不器用可愛くて、良い。ギャグもいい感じです。

 ただ、19話(2巻)の山下さんのアレがね、一番こう……、あれなんですよ。
 ……嫌な大人になってしまったなぁ。

 

■樹るう『ポヨポヨ観察日記』

・掲載誌:まんがライフMOMO 他
・完結、全15巻。
・ジャンル:動物物日常系

(公式紹介はなかったので、)amazonでの紹介文―
 どんな時でも必ず癒されるモフモフタイム♪樹るうが贈る萌え猫4コマ!まんまる猫のポヨと萌との超・丸型ニャンコライフ!!

―コメント―
 とても猫には見えない丸型の猫「ポヨ」との日常を描く作品。
 心優しく魅力的な登場人物たちが紡ぐ、ホッコリする優しい世界。癒されたいときに読むには最高の作品です。

 アニメ化もされましたが、そちらもかなり癒されます。
 3分アニメなので、気分転換にいいですよ。

 

■玉置勉強『彼女のひとりぐらし』

・掲載誌:コミックバーズ
・完結、全3巻。(続編1巻あり)
・ジャンル:お一人様日常系

―公式紹介―
 輿水理香(こしみずりか)は勤めていたデザイン事務所を辞めて、フリーランスのデザイナーになったばかりの27歳。ひとりぐらし歴は××年、彼氏いない歴××年…当然独身……。脳内彼氏と恋愛の妄想したり「モ○ハン」したり飲酒したりと、悶々とした日々=「たのしいひとりぐらし」を満喫中!

―コメント―
 痛々しくだらしない、残念な女子を愛でる作品。
 社会人が読むと、読んでいるこちらも悲しくなるような描写もありますが、それもまたこの作品の良さでしょう。

 

■道満晴明『ヴォイニッチホテル』

・掲載誌:月刊ヤングチャンピオン烈
・完結、全3巻。
・ジャンル:?

―公式紹介―
 太平洋南西に浮かぶ小国・ブレフスキュ島、その小さな島のホテルが舞台。陽光降り注ぐのんびりした南国ムードの中、一癖も二癖もある宿泊客達の悲喜交々ドラマ。

―コメント―
 ジャンル分けすら難しい、かなり独特な漫画。強いて言えばコメディ……なのかもしれません。
 可愛さあり、エロあり、グロあり、ギャグあり、ホラーあり、サスペンスあり、恋愛あり……、と色んな要素があるものの、独特な世界観の元、それらが散らからずにうまく納まっている、なんとも不思議な作品です。

 私の中では、「これ面白いよ!」と人に薦める作品ではないですが、「これ面白い?」と聞かれれば、間違いなく「面白いよ~」と答えるような作品。

 

■中村光『聖☆おにいさん』

・掲載誌:モーニング・ツー
・未完。既刊14巻。
・ジャンル:宗教系ギャク

―公式紹介―
 目覚めた人ブッダ、神の子イエス。世紀末を無事に越えた二人は、東京・立川でアパートをシェアし、下界でバカンスを過ごしていた。近所のおばあちゃんのように、細かいお金を気にするブッダ。衝動買いが多いイエス。そんな“最聖”コンビの立川デイズ。

―コメント―
 宗教を題材にしたギャグ漫画という、なかなか珍しい作品。設定もかなり独特。
 ギャグを楽しみながらも、宗教の知識を得られる面白い作品です。

 

■鳴見なる×唐花見コウ『JA ~女子によるアグリカルチャー~』

・掲載誌:ヤングエース、4コマnanoエース
・完結、全8巻
・ジャンル:農業日常系

―公式紹介―
 野沢家の決まりごと。それは姉妹達で野菜作りをすることーー。私、野沢ひなげし、小学6年生。パパが再婚して東京からこの農村に引越してきました。初めての農作業は大変だけど、初めての姉妹達と一緒に頑張ります☆

―コメント―
 田舎物日常系と農業物を巧く融合させた作品。
 あくまで日常系の枠に入る作品なので、『もやしもん』などのように、ガチの専門知識を披露する漫画ではない点は注意。『ひだまりスケッチ』の美術要素よりは、農業要素が強いといった感じでしょうか。個人的には、いい塩梅だと思います。

 ……この作品はアニメ化しても良かったと思うんですが、時期が悪かったかなぁ。
 連載開始がもう少し早いか遅いかしていれば、アニメ化していたかもしれません。

 

■西尾維新×暁月あきら『めだかボックス』

・掲載誌:少年ジャンプ
・完結、全22巻。
・ジャンル:学園バトル系

―公式紹介―
 箱庭学園内に設置された目安箱は、24時間365日、生徒の誰もが、どんな悩みでも投書できる、通称“めだかボックス”! 生徒達のあらゆる悩みを解決する為に完全生徒会長・黒神めだかの奮闘の日々が始まった!!

―コメント―
 超人ヒロインが活躍するバトル物。その雄姿に刮目せよ!
 ……という漫画ではありますが、この作品が面白くなるのは、「球磨川禊」が出てきてから。球磨川の登場前と登場後とでは、別の作品と言ってもいい位です。(個人的には、登場前の話は読み返す気にならない)
 西尾維新節が如何なく発揮された、『』つけて名言を連発するダークヒーロー「球磨川禊」。このキャラこそが、真の主役であり、この作品を読む価値を生み出しているでしょう。

 
 

■ハトポポコ『平成生まれ』

・掲載誌:まんがタイムきららキャラット
・完結、全2巻。 *『平成生まれ2』(全2巻)、『平成生まれ3」(全1巻)あり
・ジャンル:学園日常系ギャク

―公式紹介―
 イラっ、もやっ、…なんだコレ。調子にのる佐藤、隠れブラコン四村、とにかくカワイイ中川、全てが謎の原田、美しバカ藤井、無邪気バカ吉村、読めば気になる、クセになる、このノリ正に平成生まれ!新鋭ハトポポコが贈るデビュー作、遂に単行本化! 

―コメント―
 ジャンルとしてはギャグ漫画なはずですが、正直「何もない」作品です。
 ……いや、実際は何かあるのかもしれませんが、少なくとも私にはそれを言語化できません。
 しかし、その「何もなさ」が魅力になっており、同じような作品がありそうで見つからない、なかなか不思議な作品になっています。
 同著者には他にもいくつか作品がありますが、このデビュー作が一番「面白い作品」だと思います。

 

■ばらスィー『苺ましまろ』

・掲載誌:電撃大王
・未完。既刊7巻。
・ジャンル:日常系ギャク

―公式紹介―
 しっかり者の小学6年生・伊藤千佳と、その姉でルーズな女子高生・伊藤伸恵。そして千佳と幼馴染でトラブルメーカーの松岡美羽や、近所に住む年下の桜木茉莉とアナ・コッポラ。そんな四人の小学生と女子高生のキュートな日常を描くオフビートコメディ。 

―コメント―
 可愛いさとギャグを両立する、あまりに凄い作品。まさに天才。
 その後の漫画(特に日常系)に大きな影響を与えたと思いますが、同じジャンルでこの作品を超えるものは出てきていないし、少なくとも当分は出ないでしょう。

 

■原悠衣『きんいろモザイク』

・掲載誌:まんがタイムきららMAX
・未完。既刊7巻。
・ジャンル:日常系

―公式紹介―
 大宮忍(おおみやしのぶ)、15歳。ルックスは純和風な彼女ですが、実はイギリスにホームステイしていた経験が。帰国してからも外国への想いをつのらせていた彼女に、ある日一通のエアメールが届きます。差出人はホストファミリーの女の子、アリス。「シノブ、今度は私が日本にいくよ!」日英美少女ミクスドコメディ、始まるよ! 

―コメント―
  既に挙げた『ご注文はうさぎですか?』と同じように、「可愛い女の子の、可愛い女の子同士のやり取りに癒されたい」という場合に読むべき作品。
 キャラの設定などが大分違うこともあり、『ご注文はうさぎですか?』とはまた違った癒しがあります。
 

■春野友矢『魔王様ちょっとそれとって!!』

・掲載誌:ミラクルジャンプ → ウルトラジャンプ
・未完。既刊6巻。
・ジャンル:ファンタジー系ギャク

―公式紹介―
 太古の昔から恐れられていた伝説の魔王様。勇者達に敗れ閉鎖空間「檻」に封印されてしまう。しかし、何故か?一緒に封印されてしまった魔法使い(勇者パーティー)と脱出方法を探しながら、なんやかんやで一時休戦…同居中ッ!!! スゴイ実力を持つ二人だが…「檻」の中では“普通の人” 壮大な世界でスゴイ二人(二度目)がクダラナイことで盛り上がる!!? そんな“魔王様ないがしろ放置DAYS”スタート!

―コメント―
 能力を失ってしまった魔王がいじり倒される様を愛でる作品。
 一方の勇者パーティも色々問題のあるキャラばかりで、それがまた別の面白さと展開を作り出す、なかなか巧い作りの作品となっています。

 

■柊ゆたか『新米姉妹のふたりごはん』

・掲載誌:電撃大王
・未完。既刊3巻。
・料理日常系

―公式紹介―
 両親が再婚してすぐに海外出張に発ってしまったため、ふたりで生活することになったサチとあやり。言葉数が少なく目つきの鋭いあやりに対し、サチは物怖じし、これからの同居生活に大きな不安を感じてしまう。そんなとき、父親から届いた荷物は生ハムの原木だった! それに対して料理好きなあやりは、原木を見た途端目を輝かせ……。

―コメント―
 継姉妹の二人が紡ぐ、心温まる料理物の日常系作品。
 料理と日常系のバランスが巧い作品です。

 

■藤沢カミヤ『ねこのこはな』

・掲載誌:モーニングtwo
・完結、全4巻。
・ジャンル:日常系

―公式紹介―
 猫はたいてい二足歩行!
 超オーソドックスな飼い猫こはなと、いまいちパッとしない駆け出しSF作家あっちゃんのアパート生活と奇矯な住人達とのバトルを描いたハードコアアクション。
 目下の議題は、こはなのセーラー服っぽい出で立ちが、服なのか単なる毛並みなのか、である。

―コメント―
 人に似た姿をした可愛い猫との、ホッコリする日常系。
 純真な「こはな」の言動が素晴らしく可愛く、ほのぼのと癒されます。癒され度では、かなり上位の作品でしょう。

 

■藤沢カミヤ『なぎさ食堂』

・掲載誌:まんがくらぶ
・完結、全3巻。
・料理日常系

―公式紹介―
 料理上手で食べることをこよなく愛する女子高生、栗原なぎさ。
 お友達のかなちゃんとちーちゃんを自宅に招いて、今日も元気に“なぎさ食堂”開店です!
 甘いものからしょっぱいものまで、四季折々の食卓にあなたを誘います…♪

―コメント―
 先ほどの『ねこのこはな』の著者の(次の)作品。
 『ねこのこはな』同様にほのぼのとして癒される作品ですが、いい具合にゆるいギャグが、さらにこの作品を魅力的なものにしています。キャラも皆可愛くて、非常に良い。

 ……藤沢先生の作品は、そろそろアニメ化されるべき。

 

■武論尊×原哲夫『北斗の拳』

・掲載誌:少年ジャンプ
・完結、全27巻。 *究極版は全18巻
・ジャンル:バトル物

―公式紹介―
 199X年。世界は核の炎に包まれた。文明社会は消え去り、世界は暴力が支配する弱肉強食の時代へと突入した。それから数年後、一子相伝の暗殺拳である北斗神拳の伝承者となったケンシロウは愛する女性ユリアと共に旅に出る。しかし、ユリアを愛する南斗孤鷲拳の使い手シンに敗北し、ケンシロウは胸に七つの傷をつけられユリアを奪われてしまう。ユリアを取り戻すため荒野をさまようケンシロウ。そこでケンシロウは言葉を失った少女リンとしたたかに生きる少年バットと運命の出会いを果たす。北斗神拳の宿命に導かれるまま乱世に覇をとなえる強敵たちと戦い、弱き者を救い続けるケンシロウ。北斗神拳と対を成す南斗の使い手との戦いや、ケンシロウを見守る兄トキとの出会い、そしてトキとケンシロウが目指した北斗の長兄であり最強の男ラオウとの戦いを通じ、ケンシロウは乱世を救う真の救世主へと成長していく

―コメント―
 あまりに有名な、ジャンプ黄金期作品。
 なんと言ってもこの作品の良さは、敵キャラを含めた各キャラクターが魅力に溢れていること。
 それぞれのキャラに「立場」や「考え」、「思想」があり、それがキャラを「生かしている」からこそ、今でも人気が続く作品になっているのでしょう。

 

■堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』

・掲載誌:少年ジャンプ
・未完。既刊15巻。
・ジャンル:ヒーロー学園バトル物

―公式紹介―
 誰もが何かしらの超常能力・”個性”を持つようになった世界!
 ”個性”を悪用する者を、圧倒的な力で取り締まる「ヒーロー」は皆の憧れの存在となっていた!
 主人公・緑谷出久もまた「ヒーロー」になることを夢見る少年だったのだが…!?

―コメント―
 ジャンプ王道のバトル物要素に、アメコミ風表現と、(現代的な)魅力ある女性キャラを巧く融合させた、新しいジャンプ系バトル物。
 王道らしい熱い展開や人間成長といったものをきちんと描きながらも、現代の漫画に求められる「キャラ性」も満たす、なかなか凄い作品です。

 

■三上小又『ゆゆ式』

・掲載誌:まんがタイムきらら
・未完。既刊8巻。
・ジャンル:学園日常系

―公式紹介―
 ゆとりバンザイ。ゆずこ、縁(ゆかり)、唯の三人娘がゆるゆるまったり繰り広げるスクールライフは、笑い・ときどきいいカンジ。ところにより百合要素。特に何も起こらないけどなぜか毎日心地良い。そんなgdgd気分にちょっと身をまかせちゃったりしてみます? 

―コメント―
 割と直球な百合表現さえ、ギャグにしてしまう日常系作品。
 ただ、ギャグ要素が強いはずなのに、全体としてまたっりとした雰囲気となっているのが不思議であり、それが、本作を安心して読める作品にしています。

 アニメも良作。2期はまだですかねぇ…。

 
 

■めいびい『黄昏乙女×アムネジア』

・掲載誌:ガンガンJOKER
・完結、全10巻。
・ジャンル:心霊系学園ラブコメ

―公式紹介―
 私立誠教学園。歴史ある学園の校舎には、いくつもの怪談が存在していた。 中等部一年の新谷貞一は、その中の一つ、”旧校舎の幽霊”──夕子に出会う。不思議なことに夕子の姿は貞一にしか見えなかった。 夕子には、自分が死んだときの記憶がなく、なぜ幽霊になったのか分からない。夕子と貞一はその真相を探るべく、”怪異調査部”を設立。学校の怪談の謎に挑んでいくのだった…。
 気鋭の実力派・めいびいが贈る、美少女幽霊譚、ここに開幕!!

―コメント―
 基本はラブコメであり、可愛くてちょっとエロい夕子さんを愛でる作品なのですが、夕子さんの設定がきちんと練られており、心地よい日常が少しずつ揺れ崩れていくような、良くできたストーリになっています。
 ただ、やはり、夕子さんがひたすら可愛い。

 

■森恒二『ホーリーランド』

・掲載誌:ヤングアニマル
・完結、全18巻。
・ジャンル:格闘系

―公式紹介―
 これは、自分の居場所(ホーリーランド)を守るために、夜の街を徘徊し戦い続ける少年たちの物語──。格闘マンガの新境地にて金字塔が登場!!

―コメント―
 男性は心躍るであろう格闘系の作品ですが、本作は、主人公の成長の仕方が独特で、大切なものを失い、”狂いながら”成長していく点や、要所で各格闘技の説明や作者の語りなどが入る点が特徴的。(後者は他の漫画でネタにされていました)
 カトー戦などは特に衝撃的な作りとなっていますし、感動するシーンも多い。同じような作品は出てこないであろう、良い作品です。

 

■若木民喜『神のみぞ知るセカイ』

・掲載誌:少年サンデー
・完結、全26巻。
・ジャンル:攻略系ラブコメファンタジー

―公式紹介―
 ゲーマーの間で「落とし神」と呼ばれるギャルゲー達人にして、現実女子からは「オタメガネ」と呼ばれる青年・桂木桂馬。ある日、クラスメートの高原歩美に押しつけられた校舎屋上の掃除中、携帯ゲームのメールチェックをしていた桂馬の元に「攻略してほしい女がいる」との挑発メールが届く。落とし神のプライドから即座に返信すると、上空から謎の女の子・エルシィが爆風と共に舞い降りてきて…!?

―コメント―
 必要に駆られて、(ギャルゲーの)ゲーマーがリアル世界の女の子を攻略していくという作品ですが、その攻略の手法や、攻略する対象のキャラの魅力、単純に「攻略」の枠に収まらない人間模様などによって、非常に面白い作品になっています。
 主人公には特殊なファンタジー的能力が与えられていないこと重要で、それが作品を生き生きとさせ、読者をワクワクさせる作りになっているのだと思います。

 

■ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』

・掲載誌:コミックブレイド → 月刊コミックガーデン
・未完。既刊7巻。
・ジャンル:異類婚姻譚系魔法ファンタジー

―公式紹介―
 羽鳥チセ15歳。
 身寄りも、希望も、生きる術も、何一つ持たぬ彼女を金で買ったのは、悠久の時と寄添うヒト為らざる魔法使いだった―。
 彼に『弟子』として、そして『花嫁』として招き入れられた時、少女の中で停まっていた針がゆっくりと動き始めていく……。
 これは、世界の美しさを識る為の物語。

―コメント―
 非常に良く練られた美しい魔法世界で紡がれる、人外×少女物。
 ジャンルには「異類婚姻譚系」と書きましたが、実際には、保護者兼魔法の師匠の下で少女が成長していく、といった心温まる話となっています。
 バトル系魔法世界物”でない”魔法ファンタジーを読みたい方には、ピッタリな作品でしょう。

 

■よしづきくみち『君と僕のアシアト』

・掲載誌:スーパージャンプ 等
・完結、全6巻。
・ジャンル:タイムトラベル系

―公式紹介―
 (有)タイムトラベル春日研究所の研究内容は、“脳内タイムトラベル”。
 20年間かけてスキャンした市内の物理・物質・霊質構造を脳内に投影することで、 特定の時空を再現するのだ。まともな人間には冗談のような研究。 しかし、人生に迷った人間には、まさに奇跡。今日も迷った人間が研究所の扉を開く。
 過去に置き忘れた、かけがえのない“何か”を探すために──。

―コメント―
 序盤のメインは、疑似タイムトラベルによって依頼者たちが過去に戻り、そこで過去と向き合うことで現実に立ち向かっていくという話。そこで描かれる人間ドラマに感動させられたり、考えさせられたりする作りとなっています。
 同時に、主人公の過去にまつわるストーリも展開され、それが中盤以降のメインとなっていきます。こちらはタイムトラベル装置と関係する、SFミステリ的な話であり、なかなか衝撃的な展開を見せていきます。
 どちらの話も非常に良くできており、一つの作品で二つ楽しみを持てる作品となっています。
 


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