偏頭痛への対処法について

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   年末年始に偏頭痛が頻発した(群発頭痛の可能性もあり)おかげで、様々な活動ができなかったことが未だに悔やまれ、今年こそは偏頭痛に悩まされることのない日々を過ごしたいと考えながら、この記事を書いています。

   おそらくこの記事をご覧いただいているのは、偏頭痛でお悩みの方が大半となるでしょう。
 いわば、同士の方々ですね。私も、高校時代に偏頭痛が出るようになってから、偏頭痛とは10年以上の付き合いになります。

   そんな方に向けて、この記事では、これまでの経験から得た、私なりの偏頭痛への対処法を紹介したいと思います。


   まずは、私の偏頭痛の症状などについて記しておきます。
 (飛ばしても問題ありません)

   人によって症状の出方なども異なるようですが、私の場合、症状の出方は高校の頃から今に至るまで、毎回ほぼ同じで、以下の通りです。

 左のこめかみ部分に何とも言えない違和感(前兆)が出る
 ↓こめかみ部分が痛み出す
 ↓痛みが徐々に強くなっていき、素手で力任せに殴られたような痛みが出てくる
 ↓痛みが左目奥にまで広がっていく
 ↓左目から涙が、左の鼻の穴から鼻水が意思と関係なく流れ出る
 ↓吐き気が出る
 吐く

    何も対処をしないと、ほぼ確実に”吐く”状態まで段階が進み、もう何も活動ができなくなってしまいます。
 また、市販の鎮痛剤などを飲んでも効かない場合も多いため、朝方に偏頭痛又はその予兆が出ている時には、基本的にその日は休まざるを得ない(出社しても仕事が出来ない上に、吐く)状態が長らく続いていました。(高校時代は、登校し、保健室に直行)

    さすがにこれでは生活に支障が出ますし、そもそも”吐く”という状態が、脳などに器質的な障害が出ているのではないかという不安を引き起こしていたため、数年に一度診察を受け、その度にMRIなどで脳や首の状態を確認されました。
 しかし、器質的な障害は一度も確認されず、その上、処方される薬を飲んでもほぼ効かなかったため、もう何年も偏頭痛のために受診することはしていません。

 薬手帳に残っている分の記録を見返すと、偏頭痛用の薬(ゾーミッグRM錠)も、緊張性頭痛用の薬(テルネリン錠)も出されていたようですが、そのどちらも効かなかったわけです。

    こうなると、自力で何とか対処するしかありません。


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対処法① 点鼻薬(リドカインを含むもの)
 
 そこでまず試したのが、点鼻薬です。

   おそらく大学時に、「頭痛大学」というサイトの「群発性頭痛対策編」というページに辿り着き、リドカインを含む点鼻薬が偏頭痛に(も)効く可能性があるということを知ったことが、きっかけだった思います。

    当時具体的にどの商品を使っていたかは覚えていませんが、現在は「グローアルファ点鼻薬クール」(奥田製薬)を利用しています。

 amazonで取り扱いのある商品だと、「ベンザ鼻炎スプレー」(武田CH)や「ケナリス点鼻薬」(奥田製薬)に、リドカインが含まれています。

   このような点鼻薬を、痛みが出始める直前か、痛みが出始めた直後に使うと、その後の偏頭痛の進行が抑えられることが多いです。

 ただ、毎回そうなるわけではないうえに、タイミングが少しでもずれるとあまり効果がないため、「これがあれば絶対に大丈夫!」というものではありません。悲しいですね。
    また、リドカインは神経に働きかける麻酔の働きをする物質のようなので、症状自体が治まるわけではなく、実際にはそれを感じなくなっているだけかと思われます(それだけでもありがたいのですがね)。


対処法② 血糖値を上げる
  
  リドカインを含む点鼻薬と、(結局は効かない)市販の頭痛薬で乗り切る日々が続いていたところ、24歳の時に1型糖尿病を発症しました。

 ちなみに発症時には、4件の病院で夏バテだの胃炎だのと誤診され、全身が鉛のように重く、もうまともに動けなくなった段階で行った救急医療センターでも1型糖尿病と診断されず、(糖質がたっぷり含まれていたであろう)点滴を打たれ、本当に死にかけました(意識が朦朧として、現実世界と別の世界を行ったりきたりしていました)。
 本題とは関係ありませんが、まともに動けないほど体調が悪い状態が何日も続く場合には、血液検査をしてもらうことを強くお勧めします(血糖値を測定してもらうだけでも良い)

    そのような経緯を経て、1型糖尿病患者となったわけですが、1型糖尿病になると、自分で血糖値を測りつつ、食前の血糖値と食事の糖質量などからインスリン注射を打つこととなります。

   自分の血糖値を毎日何度も測る。これは糖尿病などにならない限りは、通常行わないことでしょう。
 しかし、それによって、それまで気付かなかったことに気付いたのです。

   その1つが、”低血糖時は、偏頭痛が起こる確率が有意に高い“ということです。

   正確に記録をとっているわけではありませんが、私の場合には、血糖値が70mg/dL程度を切ると、高い確率で偏頭痛が起こります
 そして、その場合には、偏頭痛が起こり始める前(予兆段階)や、初期(の初期)段階に糖質を摂り、血糖値を上げると、症状の段階が進まずに治まる場合が非常に多いのです。

   一般的に、偏頭痛の原因は、頭部の血管の拡張や、(それに伴う)三叉神経への刺激による血管の拡張や炎症とされ、その血管の拡張などの原因は、自律神経の乱れ(主に交感神経優位からの反作用)などと説明されますね。
   しかし、以上に記したように、低血糖が偏頭痛を引き起こすケースも考えられるのです

 現に、「偏頭痛 低血糖」などで検索をかけると(googleを使用)、そのような内容を載せているページが多くヒットします(頭医者のつぶやき「低血糖の人は片頭痛になりやすい???」、一般社団法人低血糖症治療の会、季節の病気克服.com「糖分足りてますか!? 〜血糖値が低い低血糖状態での頭痛の症状、対処法まとめ〜」などを参照)。
 また、英語[migraine]で検索をかけた場合にも、低血糖[low blood sugar (hypoglycaemia)]を原因の1つとして紹介するページが、検索上位に出てきます。

   一方、「偏頭痛」というキーワードだけ、あるいは「偏頭痛 原因」というキーワードで検索をかけても、上位のページには、そのような内容は書かれていません(16/01/07現在)。
 そのため、”偏頭痛と低血糖が関係あるのではないか”と考えたり、”よくは分からないけど、偏頭痛と食事に何か関係があるのかな”と考えた上で検索をしない限りは、なかなか偏頭痛と低血糖の関係性を示す情報には辿り着けないのが現状でしょう。
 しかし、血糖値測定と合わせた私の実際の経験でも、偏頭痛と低血糖の関係性を記述するページの内容からも、偏頭痛と低血糖間には関係性があると考えられます。

   そのため、偏頭痛でお悩みの方は、偏頭痛の予兆段階、初期(の初期)段階で、糖質(なるべく吸収の速いもの)を摂ってみることをお勧めします

   摂るべき糖質の量については、摂りすぎると、それがまた偏頭痛の原因にもなりかねませんが、少なすぎても意味がありません。
 (私が1型糖尿病なので)健常な方については断言はできませんが、まずは30mg程度で試してみると良いかと思います
 仮に健常な方は糖質1mgで血糖値が1mg/dL上がるとし、低血糖時に糖質を摂ると、そうでない場合よりも血糖値は上がりやすいことも考慮すれば、30mgの糖質で十分に低血糖を脱するという考えです(ドクター江部の糖尿病徒然日記「正常人と糖質と血糖値」などを参照)。

 なお、1型糖尿病患者であれば、即効性インスリン注射なしで10~20mg程度で良いと思われます(血糖値を測れる状況なら、測ってからにしましょう)。

   ただ、私自身の経験では、「低血糖時に偏頭痛が起こる確率は高い」ことは間違いないのですが、「低血糖でなければ偏頭痛は起きない」というわけでは”ありません”。血糖値が正常であっても、高血糖気味であっても、偏頭痛が起きることはあるのです。もちろん、その場合には、糖質を補給してもほぼ効果はありません。

   血糖値の測定器具があれば、偏頭痛の予兆、初期(の初期)段階で血糖値を測り、低血糖、低血糖気味であれば糖質を摂る、というようすればいいわけですが、ほとんどの健常な方には、そのような環境はないはずです。
 そのため、糖質を補給すると共に、低血糖が原因でない場合への対処も同時に行う、ということが必要になるでしょう


対処法③ 風邪薬
 
 私の場合は既に書いたように、市販の鎮痛剤は効かず、病院で処方される薬も効かないという状態で、そのうえ、2016年末から2017年始にかけては、偏頭痛が頻発し、点鼻薬でもタイミングが微妙にずれたせいで効果が出ず、低血糖が原因でない場合には「祈るしかない」という日が多くありました。

   そこで、「この痛みを抑えてくれれば、何でもいい。何でもいいんだ。何でもいい…? …そうだ。風邪薬でも飲んでみよう」と思い立ち、久しく飲んでいなかった風邪薬を飲んでみたところ、意外なほどに効果がありました

 正直、驚きです。いくら解熱作用や鎮痛作用があるとはいえ、そこに焦点を絞った製品ではないわけですから、鎮痛剤が効かない偏頭痛にはとても効果があるとは思えないわけです。
 しかし、実際には、驚くほど効いたのです。

 ちなみに、私が使用している風邪薬は、パブロンSα錠。

 いたって普通の風邪薬ですね。
 大正製薬のHPから成分を確認できますが、アセトアミノフェン(弱い鎮痛剤にも含まれる)とカフェイン(血管を収縮させる効果がある)くらいしか、偏頭痛に効きそうな成分はないように思えます。

 しかし、効果を期待して飲んだわけではないですから、プラジーボ効果などで偏頭痛が治まったとは考えにくいですし、風邪薬が切れたであろうタイミングでは偏頭痛の症状が出ているという状況が何度もありましたので、やはり、少なくとも私が年末年始に体験した偏頭痛には、風邪薬が効いていたのだろうと思います。

      「この成分が含まれているから、鎮痛剤は効かなくても風邪薬は偏頭痛に効くのだ」とは言えませんが、偏頭痛が起きたときに風邪薬を飲んだことはないな…という方は、試してみても少なくとも損はないはずです。一度試してみてはいかがでしょうか。


 以上が、私が「偏頭痛に対し、一定の効果がある」と考えているものになります。

 まとめれば、点鼻薬を早いタイミングで使い、糖質を摂り、風邪薬を飲む、ということですね。非常にシンプル!
 
糖質を摂ったときに風邪薬を飲むタイミングも生まれるので、いい組み合わせかもしれません。

   ただ、皆さんもお気付きと思いますが、これらはいずれも対処療法でしかなく、偏頭痛に悩まされない生活を手にするには、偏頭痛が発生しないようにしなければなりません。

   低血糖が起こす偏頭痛については、健常な方は発生自体をそれなりに抑えられるはずです。

 肉体労働やスポーツをする際には、開始前に糖質を摂り、合間で適度に少量の糖質を摂り、終了後にも糖質を摂る

 正常範囲内で脂肪をつけておく(低血糖時に分解され、血糖値を上げる)

 普段の食事の際には、糖質を一度に大量に摂りすぎない(食後に血糖値が上がった後、大きく下がってしまう。同様の理由から、間食でも糖質は摂りすぎない方がよい)

 このようなことを意識して過ごすだけで、健常な方は低血糖が起こる頻度を大きく避けられるはずです。

   しかし、頭部の血管の拡張などを原因とする偏頭痛については、そもそもなぜ血管の拡張が起こるのかはよく分かっていないでしょうから、それを避けるというのは難しいと言わざるを得ません。(交感神経優位の反作用だとしても、自律神経の話なので、自分でコントロールするのは難しい)
 ただ、祈っていれば偏頭痛が起きなくなるわけでもありません

 現状では、信憑性がどれだけあるかさえ分からなくても、自律神経の乱れが原因という考えなどの下、とりあえずは、そのような方面からのアプローチを図るしかありません(自律神経以外に原因がある可能性も無視すべきではないですが。例えば、頭部の血管がストレス調節物質であるセロトニンに反応しやすいという体質が原因とする考え(頭痛外来 北見クリニック「薬に頼らない片頭痛の対処法1」などを参照)などもありますし、筋肉や骨や血管へのアプローチもあり得るはずです)。

   幸か不幸か、”自律神経を整える”と謳う書籍やセミナー、HPなどは巷に溢れています。
   (マインドフル)瞑想、ヨガ、睡眠の改善、生活リズムの改善、食事内容の見直し、適度な運動、強度の運動、音楽療法…様々な手法があるでしょうが、考えてみれば、これらを行うことで偏頭痛の発生自体を失くすことに繋がらなかったとしても、別の良い効果を肉体や精神にもたらすはずです。また、ストレスが原因という考えの下でも、これら手法は効果が期待できるでしょう。

 
 偏頭痛から解放されるためには行動あるのみ、ですね。行動が変わらなければ、結果も変わりませんから…。



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