2017年の野草、山菜、木の実採取記録(3月)

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 今年は山菜や木の実を積極的に採取して食べてみようと思い立ち、少しずつ活動を始めています。
今後の自分の採取等に役立てると共に、皆さんのご参考に少しでもなればと考え、本記事にて記録を残していきたいと思います。

→4月の活動記録


マテバシイの実(3月上旬)
 
山菜や木の実を採取し始めたきっかけは、今年のある日、散歩中にたまたま、マテバシイの実を見付けたことでした。
 これについては以前記事にしましたので、そちらをご覧ください。

 なお、揚げて食べると、芋けんぴのような味がして、なかなか美味しかったです。



②木の実採取ポイント探し(3月上旬)
 マテバシイの実がスタートだったこともあり、まずは木の実を採取ポイント探しから始めました。
 ①の公園を含め、いくつか大きめの公園を回り、スダジイ、マテバシイ、ヤマモモ、オニグルミ、クリなどの実の採取候補地を発見。

 1度、木に解説のプレートが付いているような場所を回り、それぞれの木の特徴を掴んでおくと、その後のポイント探しが楽になると思います。

 …まぁ、花期や結実期に見て回れば、それで済む話なんですけどね。

・スダジイ
 実(ドングリ)は、タンニン(渋み成分)が少なく、食べやすいらしい。
 常緑高木。
スダジイ01
 本によっては、樹皮は黒褐色と説明されていますが、それはおそらく大きな(老齢な)木の話であり、公園などでは、樹皮がやや白っぽいものの方が多く見られると思います。
 縦の裂け目が特徴的。

スダジイ02
スダジイ03
 葉は、表は濃い緑、裏は銀白色から茶褐色へと変わるようですね。
 春だと葉からの同定はなかなか難しいことも多いですが、裏があまり緑っぽくなく、葉(のついた枝)が比較的低い位置まで降りてきている木は、スダジイの木の可能性が高いと思います。

 実の採取時期は、9~11月。

 

・マテバシイ
 こちらの実(ドングリ)も、タンニンが少なく、食べやすいです(実食済)。
 特徴等は以前の記事に書いたので割愛しますが、都市公害や病害虫に強く、葉がスダジイなどよりもかなり大きいこともあって、公共施設で目隠し等のためによく植えられている気がします。地域にもよるとは思いますが、私の行動圏内ではスダジイよりも遭遇確率がずっと高いです。

 マテバシイ(上)とスダジイ(下)の葉の表・裏
マテバシイ01
マテバシイ02

 実の採取時期は、スダジイとほぼ同じですが、マテバシイの実は虫がつきにくいらしく、春先でも中身が入っており、腐ってもいない実が結構落ちています。

 

・ヤマモモ
 常緑高木。
 葉の付き方が特徴的で、見ればすぐに分かる木です。
ヤマモモ01

 樹皮は白っぽく、(私が見た限りでは、)裂け目もあまり見られません。
ヤマモモ02
 公園や公共施設等、割と色んな所に植えられている印象です。また、山にも普通に自生しています。

 採取時期は、7月頃(夏)。

 

・オニグルミ
 川岸などに生える木なのですが、田舎なのに無駄に河原などの整備が進んでいる地域に住んでいるため、見付けるまで時間がかかりました…。

 落葉高木。
 まだ新芽しか見れていませんが、その新芽が特徴的なので、同定はしやすいです。
オニグルミ01
オニグルミ02
 (土砂などによって倒れてしまっていた木から、切り取ってきました)

 「猿や羊の顔のように見える」と言われていますが、確かに、そんな感じですね。

 採取時期は、9~11月。

 

・その他
 カヤの木(らしきもの)のポイントは確保済み。
 ツノハシバミはそろそろ花期のはずなのですが、未だ見つけられず。
 アケビとサルナシは結実期に確認します。

—-今回参考資料—-
いわさゆうこ『ドングリハンドブック』(文一総合出版、2010)
おくやまひさし『美味しい木の実ハンドブック』(文一総合出版、2011)
畔上能力 監『ひと目で探せる四季の山菜』(成美堂出版、2002)
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③土筆(3月中旬)

 オニグルミが生えている土手を何回目かの散歩中、いつの間にか土筆(ツクシ)が生えてきていました。

 山菜の第一歩にはちょうどいいだろうと考え、いくつか採取して、食べてみることにしました。

土筆01

 袴(ハカマ)を取り、一晩水に浸けた後、
土筆02
 茹でこぼし。

 だし、みりん、砂糖で煮詰めて、土筆04
 卵でとじて、土筆の卵とじの完成です。

 …まぁ、とじれていないんですけどね。

 鍋で煮詰めて、そのまま卵を投入したのがまずかったのかもしれません。
 卵がこびりついてしまい、うまく取り出せなかったため、スクランブルエッグみたいな見た目になってしまいました。

 そして味についても、2度茹でこぼしをしたせいか、土筆自体はほぼ無味。萎びたモヤシといった感じでした。
 少量の土筆なら、茹でこぼしは1度でよさそうです(あるいは、一晩水に浸ける過程を省く)。

 ただ、如何せん袴取りの作業が面倒すぎるので、この反省を活かす機会は当分来ないでしょう。



④キクラゲ(3月下旬)

 近所の山を散策中、ほとんど人が通っていないそうなルートに入ってみました。
 竹や木がルート上にいくつか倒れており、やはりほとんど人が通っていない様子。

 しばらく歩いていると、ちょうど胸くらいの高さに倒れてきている木に、キクラゲが生えていました。
キクラゲ01
 キクラゲの仲間には毒のあるものはないらしいですし、キクラゲに似た毒キノコもクロハナビラダケくらいしかないようなので、クロハナビラだけでないことを確認した後に、いくつか採取しました。
 (クロハナビラダケについては、コチラのページなどを参照)

キクラゲ02
 石づきなどを切り落とし、軽く湯通ししてから、

キクラゲ03
 卵を炒めた後に、キクラゲをごま油で炒め、最後に塩コショウで味つけをしながら両方を一緒に炒めて、キクラゲの卵炒めの完成です。

 味は美味しかったのですが、キクラゲ自体はやはり味はしませんね。まぁ、元々そういうキノコでしょうからね…(軽く湯通しした段階で齧ってみましたが、無味でした)。
 ただ、食感は非常に良いですし、ごま油などを吸ったことで味が上手く付いています。

 なお、生のキクラゲは、加熱調理すると爆ぜるので注意してください
 かなりビビりましたよ…。

 比較的簡単に見付けられ、採取も用意なキノコ(素手で採れます)でしょうから、定期的に採りに行きたいところですね。



⑤ヤブレガサ、イタドリ、シイタケ、キクラゲ(3月下旬)

・ヤブレガサ
 キクラゲを補充するために近所の山を歩いていたところ、キクラゲより先に、ヤブレガサを発見。
ヤブレガサ01
 出たばかりの若葉は、閉じた傘のような形をしているので、非常に分かりやすいです。
 また、出たばかりの若葉は綿毛に包まれています

ヤブレガサ02
 少し大きくなるとこんな感じ。傘を開いたような形になります。
 葉に切れ込みがあるのが特徴的。

 なお、私が採取したものはヤブレガサだと思いますが、若葉などの形が似たものに「モミジガサ」あります。
 ただ、モミジガサも美味しい山菜のようですし、調理法なども変わらないようですから、区別できなくても問題ないでしょう。
 (なお、モミジガサの方が山菜としてはメジャーなようです。)

 しかし、トリカブトとは区別しなければなりません
 誤食による食中毒が実際に起こっているようですからね。

 これがおそらくトリカブト。
トリカブト
 少し育ったタイミングでは、確かに微妙に似ているかもしれませんね。

 しかし、写真をよく見比べてもらえば分かるかと思いますが、葉の形が結構違うはずです。
 ヤブレガサの方は、まさに開いた傘の中心部分のような丸い部分があり、そこから葉が広がっています(モミジガサも同様)
 トリカブトの方にはそのような部分はなく、茎の先から葉が広がっています
 葉先も大分違いますよね?

 また、ネット上の情報では見られませんでしたが、簡単に判断できるであろう点は、茎の色と群生の仕方です。
 まず、(ある程度成長した段階で)茎が赤かったら、トリカブトの可能性が高いです。
 そして、トリカブトは写真のようにかなり密集して生えていますが、ヤブレガサは写真のように、少し間が空いて生えています(おそらくモミジガサも同様)。

 以上の点で判別すれば、まず間違えることはないでしょうが、それでも不安であれば、綿毛が残っているものだけを採ればよいかと思います。トリカブトには綿毛はありませんからね。
(なお、葉が開く前(閉じた傘のような状態)のヤブレガサは茎が赤いものもありますが、トリカブトはそのような生え方はしませんし、綿毛もないので、茎が赤くても問題ありません)

—-参考資料—-
・「自然毒のリスクプロファイル:高等植物:トリカブト類 概要版」(厚生労働省HP)
  http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082103.html (最終閲覧:17/03/31)
・「有毒植物による食中毒に注意」(和歌山県庁HP)
  http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/031600/04_cyudoku/yobou/yudokusyokubutu.htm (最終閲覧:17/03/31)
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・シイタケ
 そして、ヤブレガサをいくつか採取した(根元を手で折る)後、キクラゲの採取も済ませ、付近を散策していると…
シイタケ01
 シイタケらしきキノコを発見。テンションが上がりました。

 …しかし、これがシイタケであるという確信は持てず。
 いくつか採取して(ナイフで根元を切断)、家で確認することにしました。
シイタケ02
シイタケ03
 切ってみても柄にシミがなく、また、柄にリング状の隆起などもないため、ツキヨタケでは(おそらく)ない。(鱗片もありません)
 木に生えていたため、カキシメジでも(おそらく)ない(表面がやけに似ているのが怖いですが、さすがに違うでしょう)。

 少なくとも毒キノコではないだろうと判断し、破片をオーブンで焼いてみたところ、シイタケの匂いが。
 そして、齧ってみると、「水っぽいシイタケの味」がしました。(前日に雨が降ったため、水を多く含んでいたのでしょうか)

 3時間程待って症状が出ないことを確認し、「これはおそらくシイタケであり、少なくとも毒キノコの類ではない」と結論付けました。

 ただ、(いないとは思いますが、)上の画像を参考にしてキノコを採取するようなことがあっても、私は責任を負いかねますので、悪しからず。

—-参考資料—-
大作晃一他『おいしいきのこ毒きのこハンディ図鑑』(主婦の友社、2016)
・「毒きのこによる食中毒に注意しましよう」(新潟県HP)
 http://www.pref.niigata.lg.jp/tokamachi_kenkou/1283112108322.html (最終閲覧:17/03/31)
・「きのこ食中毒について」(新潟市HP)
 https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/shoku/syokuei/shokucyudokuinfo/kinokoitiran.html (最終閲覧:17/03/31)
・oso的キノコ写真図鑑
 http://toolate.s7.coreserver.jp/kinoko/ (最終閲覧:17/03/31)
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 なお、今回は水で洗って、そのまま調理しましたが、自生しているキノコは「虫出し」という処理をした方がいいようです。
 後日、再び採取した際にはこちらのページの参考に、「虫出し」を行いました。

 ぬるま湯に塩を加え、そこにシイタケを投入。
シイタケ04
 10分くらい浸けたら、取り出して、干しカゴに入れて少し乾燥させました。
 …これだけです。大した手間でもないですし、やっておいた方がいいでしょうね。

——17/04/04:追記——-
 図鑑などで再確認したところ、こちらは「ウラベニガサ」の可能性が高いです。
 同じ場所から採取してきたので、シイタケとウラベニガサが同じ木から生えている状態なのか、あるいは全てウラベニガサだったのか…。水っぽい味がしたのは、ウラベニガサだからなんですかねぇ…。
 なお、ウラベニガサも可食なので、特に身体に悪影響はありません。
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・イタドリ
 そして、シイタケを採取した場所の近くで、イタドリの新芽も発見。
イタドリ02
 非常に分かりやすい色をしています。

 大きくなると酸味が強くなると思われるので、若い(小さい)新芽を中心に、いくつか採取しました(根元を手で折る)。


・調理

 以上、ヤブレガサ、キクラゲ、シイタケ、イタドリを持って帰宅。
 全て天ぷらにして食べてみました。特に灰汁抜きなどはしていません(少量ですしね)。
天ぷら01
 左上がヤブレガサ、右上がイタドリ、真中がシイタケ、左下がキクラゲ、右下が大葉(スーパーで購入)です。

 それぞれの味については、

 ヤブレガサは山菜らしい匂いや渋みがあり美味
 イタドリは逆にあまり臭みや渋みがなく、非常に食べやすく、美味しい。かなり若い芽だったからか、酸味はほのかに感じられる程度でした。

 シイタケは、決して不味くはないのですが、水っぽく、味が薄い。採れたてのものは天ぷらにあまり向いていないのかもしれません。少し乾燥させてから調理すべきでしょうか。

 キクラゲは、天ぷらにしてもやはり食感のみ。特に天ぷらにして食べる理由は見当たらないですね。

 (大葉は、安定の味)

 となりました。

 ヤブレガサとイタドリの美味しさには驚きましたね
 山菜の天ぷらというと、ふきのとうやタラの芽、こごみやウドくらいしかこれまで知りませんでしたが、それらに劣らない味です。

 シイタケは、焼いても揚げても、正直期待外れ。
 ただ、この後、室内で一日干し、キッチンペーパーで水分をある程度吸い取ってから焼いてみたら、かなり美味しくなりました。
 水分を多く含んだ状態のシイタケを採取した際には、少しだけ乾かし、キッチンペーパー等で水分を吸い取ってから使うことをお薦めします。

 キクラゲは、良くも悪くもやはり食感のみです。
 しかも、前回の卵との炒め物を作った際に、「生のキクラゲは加熱調理すると爆ぜる」と学習したため、今回は切れ込みを入れたうえで揚げたのですが、やはり爆ぜました。結構大変なことになりましたよ…。

—-今回参考資料—-
・おくさまひさし『美味しい山菜ハンドブック』(文一総合出版、2011)
・金田初代 他『おいしい「山菜・野草」の見分け方・食べ方』(PHP研究所、2010)
・大作晃一他『おいしいきのこ毒きのこハンディ図鑑』(主婦の友社、2016)
・瀬畑雄三 監『名人が教える きのこの採り方・食べ方』(家の光協会、2006)
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⑥(ヤブ)カンゾウ、ノビル、タラの芽ハリギリ、ヤブレガサ、イタドリ(3月下旬)

 
ヤブレガサとイタドリ(の新芽)の天ぷらが美味しかったため、同じ山に再び採取へ。
 せっかくなので違う山菜もついでに採取しようと考え、(ヤブ)カンゾウとノビルをまず採取しました。

・(ヤブ)カンゾウ
ヤブカンゾウ01
 
比較的分かりやすく、且つ、割とどこでも見付けられる山菜。

ヤブカンゾウ02
 ”取っ手部分のある”団扇(うちわ)のように広がる形と、根元の白っぽさが特徴でしょうか。

 ただ、スイセンの一種に似ていると言えば似ているので、一応注意が必要です。
 カメ五郎さんの動画(「多摩川自給自足生活」)でも、説明されていましたね。

*8分30秒あたり~

 新芽の時期で、まだ小さい芽の場合には間違う可能性もありますが、(ヤブ)カンゾウは群生していることが多いので、まず大きな個体で(ヤブ)カンゾウであることを確認し、それを小さくしたような形の個体を採取すれば、大丈夫でしょう。大きい個体もまだ小さい個体も、葉の出方などはほぼ同じです
 
また、大きくなったものも白い部分は美味しいのですが、緑の部分が固くて食べにくくなるので、なるべく若い(小さい)ものを選びましょう。

 採取する時には、少し根元部分を掘り、白い部分が多く採れるように採取します。
ナイフなどがあればそれで切るといいかもしれませんが、手でちぎっても採れます。

 なお、(ヤブ)と括弧をつけているのは、他のカンゾウと区別がつかないためです。
 花が咲けば同定できるのでしょうが、カンゾウ類はどれも食べれるようですし、同定できなくても問題はありません。

 

・ノビル
 メジャーどころ、といった感じの山菜でしょうか。
ノビル01
 
なぜか生えている様子を写真で撮れていませんでしたが、地上部分はまさに「ニラ」や「葉ネギ」といった見た目をしているので、比較的分かりやすいと思います。
 
また、近付くと、ネギのような匂いがするので、それも探す手掛かりになります。

 ただ、このノビルとスイセンを間違って食べ、食中毒を起こす例が多いので注意が必要です。
(厚生労働省HP「有毒植物による食中毒に注意しましょう」などを参照)

 こちらがスイセンと思われるもの。
スイセン
 
葉の部分も球根(鱗茎)の部分も確かに似ており、間違えて食中毒を起こすのも納得ですね。

 ただ、写真からも分かるかと思いますが、ノビルの鱗茎(球根のような部分)は球に近いのに対し、スイセンの球根は球とは言えないような形をしています(ぼってりとした形?)。
 
また、葉を触った感じも、ノビルの方は大分柔らかいのですが、スイセンの方はちょっと固いです。
 
さらに、葉の先を見ると、ノビルの方は細くなっていきますが、スイセンの方はあまり細くならず、円みを帯びています

 そして、何よりも、ノビルの方はネギやニラのような匂いがします。
 
これに対し、スイセンの方は、若干草っぽい匂いがするだけです。
 見た目だけでも両者を判別できると思いますが、最後に匂いを嗅いで確認するといいかと思います。

 なお、ノビルはよほど地面が柔らかくなっていないと、引っ張っても途中で切れてしまうので、スコップである程度まで掘ることが必須です。

 

タラの芽ハリギリ
 これまで自生しているタラノキを見たことがなかったのですが、この近所の山にも、結構生えていました。
——17/04/08:追記——
 タラの芽だと思って採取したものは、ほとんどが「ハリギリ」だったようです
 ハリギリも可食の山菜ですが、本などによっては取り上げていない場合もあり、タラノキと比べると、若干マイナーな山菜だと思われます。
 …これまで山菜採りをほぼしたことがなかったので、まぁ、知らなくても仕方ないですよね…。うん。

 見分け方については、下の写真を見てもらっても分かりますが、まず、下の方まで小さな葉が多く出ているようなものは、ハリギリだと思っていいはずです。
 そして、棘が(タラノキよりも)大きいこと、葉の形がモミジの葉のようになっていること、葉には棘が付いていないこと(タラの芽には棘があります)なども、タラノキと区別するポイントでしょう。

 なお、タラの芽よりアクが強いようなので、調理法によっては十分なアク抜きが必要です。
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タラの芽01
 
ただ、低い(若い)木が多いんですよねぇ…。
 生える度に根こそぎ芽を採られて、枯れてしまっているのでしょうか。
 …なぜか散策コースの階段上に生えていたりする率も高いので、小さい内に踏まれてしまっているだけなのかもしれませんが。

 こちらも、いくつか芽が出ているものから一つずつ採取。
 ただ、その状態にさえ育っていない木ばかりでしたので、3つしか採れませんでした。

 なお、採る際には棘に気を付けつつ、新芽の根元をナイフで切るか、手で折って採ります。

 そして、前回同様、ヤブレガサとイタドリの新芽も採取して帰宅。


・調理
■まずは前回同様に天ぷら。
 ただ、今回はタラの芽ハリギリの天ぷらと、ノビルの天ぷら、(ヤブ)カンゾウのかき揚げ、ノビルのかき揚げが追加されました。
天ぷら02
 
上から、タラの芽ハリギリの新芽、イタドリ、ヤブレガサの天ぷら。

天ぷら03
 そして、(ヤブ)カンゾウのかき揚げ(上)、ノビルの鱗茎の天ぷら(右)、ノビルの葉のかき揚げ(下)です。

 タラの芽の天ぷらは、まさに山菜の天ぷらといった感じ。山菜らしい匂いと良い具合の苦みがあります。
——17/04/08:追記——
 タラの芽ではなく、ハリギリの新芽の天ぷら。
 山菜らしい味がして美味しいのは事実です。
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 イタドリとヤブレガサの天ぷらも、前回同様に美味しいです。タラの芽の天ぷらと食べ比べてみても、決して劣りません。

 (ヤブ)カンゾウは…、まぁ、かき揚げにして食べるものではないみたいですね。
 ヤブカンゾウは白い部分は甘みがあって美味しいのですが、緑の部分は特に味も(匂いも)しません。「食物繊維摂ってます」という感じ。

 ノビルの鱗茎も、決して不味くはないのですが、天ぷらにして食べるものではないようです。

 しかし、ノビルの葉のかき揚げは美味。「玉ねぎとネギのかき揚げ」といった味わいです。
 ノビルだけでこの味わいが出せるなんて、非常に有能です。

 

(ヤブ)カンゾウの下処理
 (ヤブ)カンゾウには下処理が必要です。
といっても、単に茹でるだけ。
ヤブカンゾウ下処理
 私は切ってから茹でましたが、別にそのまま茹でてもいいでしょう。

 緑の部分には元々あまり味がないですし、白い部分は多少長く茹でても味はそれほど落ちないので、緑の部分がある程度柔らかくなるまで、気持ち長めに茹でた方がいいと思います。

 

(ヤブ)カンゾウの酢味噌和え
 かき揚げ以外に、酢味噌和えも作って食べてみました。
P_20170331_140710
 
と言っても、単に酢味噌で合えただけです。
 酢味噌も、味噌と酢とみりんと砂糖をかなり適当な分量で混ぜて作りました。

 味のほどは…、やはり白い部分は文句なしに美味しいです。
 甘みがあり、良い食感があり、そして若干のぬめりもあり、多くの人が好みそうな味がします。

 一方、緑の部分はほぼ味がなく、そして、薄くて固い。
 結構長く茹でましたし、あれ以上長く茹でても、おそらく柔らかくはならないと思うんですがねぇ…。
 この緑の部分も白い部分と一緒に食べられることが多いようなので、人によるとは思うのですが、私はもう緑の部分は食べたくないです。白い部分だけなら食べたい。
 (ネット上では「シャキシャキして美味しい」という感想が多く見られることを付け加えておきます)

 

ノビルの鱗茎の味噌付け
 ノビルは生で鱗茎も葉も食べられます。
ノビル02
 
洗って土などを落としながら薄い皮を取り除いた後、根を切り落とし、適当な位置で鱗茎をカット。
 これを味噌に付けて食べるというのが、よくあるノビルの食べ方らしいです。

 実際に食べてみると…、ちょっと辛いですが、美味しい
 ラッキョウとネギの間、みたいな味がします。玉ねぎとはまた違うような味。
 酒のツマミによさそう
です。

 

■ノビルのからし味噌のたたき?
 こちらのページ(「ノビル(野蒜)採取後の処理の仕方と、食べ方」)で、「葉と共に細かく刻んで味噌を入れてすり鉢でよく擦った物も美味しいです」と書かれていたのを参考にし、ノビルの葉と鱗茎を包丁で細かく刻みながら、味噌と混ぜてみました。
ノビル3
 
味噌が足りなかったようなので、味噌を追加。そして、ついでにからしも追加して、
ノビル4
 
こんな感じになりました。

 すぐに食べるよりも、1日くらい冷蔵庫で置いてから食べた方が良い感じ。
 ご飯に乗せて食べると、なかなか美味しいですよ。
試してはいませんが、これで焼きおにぎりを作ると、かなり美味しいかもしれませんね。

 なお、こういった調理の総称がよく分からないので、「たたき?」と疑問形になっています。

 

■残りのノビル
 かき揚げにし、鱗茎を味噌に付けて食べ、からし味噌のたたき?を作っても余った葉の部分は、細かく刻んで、ネギと同じように薬味として使うことにしました。
ノビル05
 見た目も葉ネギとほぼ変わりませんね。
 使い方も、葉ネギと同じで問題なさそう
です。

 ただ、葉ネギよりも匂いがあるので、その点にだけ注意が必要でしょうか。
 先ほど挙げたページでは、餃子の具に使うことが紹介されていましたが、そういった使い方をすると非常に良さそうです。

 それにしても…ノビルのポテンシャルは高いですねぇ。

 

タラの芽ハリギリの新芽の下処理
 天ぷらにする際には、特に灰汁抜きは必要ないようですが、気になる人は灰汁抜きしてもいいとお思います。
今回は、ヤブレガサを軽く茹でて少し灰汁抜きをしたので、ついでに一緒に茹でてみましたが、サッと茹でる程度なら味に問題ありませんでした。

——17/04/08:追記——
 本などでは、ハリギリの新芽はアクが強いと紹介されることが多いようなので、天ぷらにする場合には、軽くアク抜きした方がいいと思われます。
 (他の調理法で食べる場合には、しっかりアク抜きをしましょう)
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 なお、灰汁抜きする場合も、しない場合も、袴の部分(写真下2つの新芽の根元部分)は取ります。
タラの芽02
 (これだけしか採取できませんでした…)

 後日、再び同じ山を散策していたら、大きめの木が複数見つかりました。
タラの芽03
 こちらの方が、タラの芽らしい形をしています。
 根元の袴部分も分かりやすいですね。
——17/04/08:追記——
 今となってはもう分かりませんが、ほぼ全てがハリギリの新芽だと思われます。
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■ヤブレガサの下処理
ヤブレガサ04
 前回は灰汁抜きをせず、そのまま天ぷらにしましたが、どうやらヤブレガサは灰汁抜きをした方がいいらしいです。
 そのため、今回はサッと茹でて、少しだけ灰汁抜きをしました。
ヤブレガサ03
 少しだけ灰汁抜きをしてから天ぷらにした方が、確かに食べやすくなります
 ただ、やりすぎると味も匂いも落ちてしまうと思いますので、天ぷらにする場合には、サッと茹でる程度にした方がいいでしょう。
 おひたし等にして食べる場合には、少し長めに茹でたり、茹でた後に水に浸けたりした方がいいかもしれません。(少しだけ齧ってみたところ、結構えぐみがありました)

 

—-今回参考資料—-
・金田初代 他『おいしい「山菜・野草」の見分け方・食べ方』(PHP研究所、2010)
・畔上能力 監『ひと目で探せる四季の山菜』(成美堂出版、2002) ・「森と水の恵み・山菜図鑑」(あきた森づくり活動サポートセンターHP)
 http://www.forest-akita.jp/data/sansai/sansai.html#12(最終閲覧:17/03/31)
——17/04/08:追記——
・おくさまひさし『美味しい山菜ハンドブック』(文一総合出版、2011)
・山口照彦『山菜・木の実・草の実ガイドブック』(永岡書店、1994)
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●関連記事 : 2017年の野草、山菜、木の実採取記録(3月)

●関連記事 : マテバシイの実(ドングリ)を採って食べる

●関連記事 : オニグルミの実を採って食べる


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