—-17/10/25追記—-
秋に改めてマテバシイを採取し、内容をまとめました。
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先日、用事先の近くにあった公園を散歩していたら、マテバシイと思しき木が何本か集まって生えている場所がありました。
白っぽい樹皮に白いすじ
環境などによってもちろん違うのでしょうが、私はこの2点で判別しています。
さて、そんなマテバシイの木の下を見てみると、まだ実(ドングリ)が落ちていました。
こんな時期(=3月)まで残っているものだとは、知りませんでしたねぇ。
—-17/10/04追記—-
地域にもよりますが、マデバシイの実の採取時期は大体、9~11月です。
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そして、「まぁ、中身はないだろうな」と思いつつも、数個だけ拾って持ち帰り…
—-17/10/04追記—-
上の写真を見ていただければ分かるかと思いますが、マテバシイの実は円柱に近い形をしており、サイズもドングリの中では大きめです(右下がスダジイの実)。
また、尻の部分(殻斗という、いわゆる帽子が付いていた部分)が凹んでいるのも、マテバシイの実の特徴です。
詳しくは、「マテバシイの実(ドングリ)を採って食べる②」の記事を参照。
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…水を張ったバケツに入れてみると、何と、半分程度は沈みました。
(*虫食いや中身の有無を水に沈むか否かで判別する。水に沈めば無事に中身がある可能性が高いとされる)
この時期に拾えるドングリにも中身があるんですねぇ…。
そして、数時間水につけた後に、綺麗なものを二つ選んで割ってみると、
片方はまだ中身もキレイで柔らかく、変な臭いもしませんでした。
…あれ? この時期のドングリも食べられるのかな。
マテバシイの実はドングリの中ではタンニンという渋み成分が少ないため、生でも食べられるのですが、さすがに落ちて何カ月も経ったものを生で食べるのは不安です。
また、熱を加える場合には、から炒りして食べるのが一般的だと思われますが、既に殻も割ってしまいました(石で叩き割りました)。
—-17/10/04追記—-
から炒りする場合には、捨てる予定のフライパンなどを使い、中火くらいで炒りましょう。
殻は焦げても構わないので、破裂音がして殻に割れ目が入るまで炒ります。(数分で割れます)
詳しくは、「マテバシイの実(ドングリ)を採って食べる②」の記事を参照。
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というわけで、「とりあえず揚げればいいだろう」と考え、軽く(オリーブオイルで)素揚げしてみることに。
揚げてみると、見た目は市販のアーモンドのようになりました。
そして味は…
思っていたものとは違いましたが、美味しい。
「クリのような味がする」と言われているようですが、これは何というか…
ほぼ芋けんぴの味ですよ、これ。
砂糖不使用なのに、随分甘い。そして、若干揚げすぎたのか、少し固い。
…まさに芋けんぴですね。
揚げ(すぎ)たから、芋けんぴの味になったのであって、から炒りなどではまた違う味になるとは思いますが、想像していたよりもずっと美味しいです、マテバシイの実。
そして後日、別の公園を散策していたら、またマテバシイが集まっている場所を発見。
んー。カラーパス効果か何かなんですかねぇ。
(*カラーパス効果 : 意識してることほど知覚されやすくなる、という有名な心理学用語。)
そして、ここにもまだマテバシイの実が残っていました。
なお、試しに浮いたものを割ってみると…
白くて固い実が出てきました。
最初からこうだったのか、時間が経ってこうなったのかは分かりませんが、水に浸けて判別する方法はこういった実もはじいてくれるので、結構有用なのかもしれません。
さて、3分の1程度になったとはいえ、今回は(前回に比べれば)量もあるので、1日程度水に浸した後に、日に当てて乾燥させる処理をしました。
そして乾燥させたものを、前回と同じように揚げて食べてみたのですが…
んー。美味しくない。
ただ、不味くもない。
何というか、味自体があまりない。
同じ時期に拾ったにも関わらず、こんなに味が違うものなんですかねぇ…。
処理の仕方の問題なのか(前回は数時間だけ水に浸けた後、乾燥させずに、すぐに揚げて食べた)、木が生えている環境の問題なのか、前回はたまたま美味しい実を選んで食べ、今回は美味しくない実を選んで食べてしまっただけなのか…。
(17/03/12追記 : もう1度揚げて食べてみたら、薄くはありましたが、芋けんぴの味がしました。味にも個体差があるのでしょうが、若干焦げるくらいまで揚げると、芋けんぴの味に近くなるかと思います)
まぁ、何にせよ、さすがにもうドングリの”時期”ではないわけですから、次に拾いに行くのは秋ですね。
落ちたばかりのマテバシイの実はどんな味なのか、今から楽しみです。
皆さんも今秋は、マテバシイなどの実を拾ってみてはいかがでしょうか。
地域にもよるかと思いますが、マテバシイは葉が大きく、防風や目隠しの効果が期待できるためか、同じくタンニンが少なく美味しいとされるスダジイよりもよく見られる木だと思います。公園はもちろん、私の行動圏では、テニスコートの周りに植えられたりもしています。
また、スダジイは葉の裏が銀色や灰色であるのが特徴とされていますが、環境や個体(そして時期)により、明らかにスダジイの木の葉であっても、アラカシなどと同じような(白っぽく)薄い緑をしており判別が難しい場合もあるのに対し、マテバシイは葉の大きさや形に特徴があるので、すぐに判別できます。
(*上がマテバシイの葉、下が(おそらく)スダジイの葉)
また、ドングリの形もTHEドングリという形で分かりやすいので、今のうちからマテバシイが何本か集まっている場所を見つけておきましょう。
—-17/10/04追記—-
書き忘れていましたが、マテバシイの実は2年成であり、2年に1度しか実りません。
そのため、実の着く前に木を見つけても、その木に実が成るとは限りません。
ただ、何本も植えられているような場所であれば、周期にズレがある可能性もあるので、少し離れた場所の木の下を探せば見つかるかもしれません。
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私は今のところ、マテバシイと、スダジイ、オニグルミの採取ポイント候補地は見つけています。
あとは、これから咲く花を手掛かりにカヤとツノハシバミの木を見つけておきたいところですが、カヤはともかく、ツノハシバミの木は見つかるかなぁ…。
——今回主要参考文献——
コンパクトでありながらも写真が豊富で、特に「木の葉一覧」と「どんぐり一覧」のページが参考になります。
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→何冊か木の実に関する書籍を読みましたが、この本は鮮明な写真が多く載っており、記述内容も適量であるため、非常にオススメです。木の実に関心のある方はぜひ。